Appleに朗報。欧州委員会がデジタルサービス税を撤回、米国との通商交渉に配慮
2028年予算案からデジタル税除外、代替案として年間売上5000万ユーロ超の大企業向け法人税を提案
Appleにとって朗報となった欧州委員会が、大手テクノロジー企業を対象としたデジタルサービス税の導入計画を撤回したことが判明した。Politicoによると、欧州委員会内部で先週末に回覧された文書により、この方針転換が確認された。
欧州委員会は2028年から始まる次期7年間予算の収入源を検討していたが、5月には検討対象だったデジタルサービス税が提案リストから除外されている。このデジタル税は、EU加盟国内に物理的拠点を持たずに欧州ユーザーから大きな売上を上げている大手デジタル企業に対し、”欧州経済への適正な貢献”を求める仕組みとして位置づけられていた。
米国との通商交渉への配慮が背景
今回の方針転換の背景には、EU と米国の間で進行中の新たな大西洋横断貿易協定の交渉が影響している。Politicoの報道によると、欧州委員会がデジタル税を撤回したのは、米国との通商交渉を頓挫させることを避け、より有利な条件を確保するための戦略的判断と見られている。
この動きは、トランプ大統領が欧州製品に対する報復関税を警告してきた経緯を踏まえたものだ。欧州委員会は通商関係の安定を優先し、対立よりも協調路線を選択したと分析されている。
代替案として3つの新税制を提案
デジタルサービス税に代わり、欧州委員会は以下の3つの新たな税制を提案している:
- EU全域でのたばこ製品に対する物品税
- 廃棄された電気・電子機器に対する税
- 年間EU売上高が5000万ユーロを超える大企業に対する法人税
これらの提案は、EU全27加盟国の全会一致による承認が必要となる。Appleについては、年間売上高が5000万ユーロを超える大企業向けの法人税の対象となる可能性があるが、デジタル企業を特別に狙い撃ちする内容ではない。
Appleへの規制環境は継続
デジタルサービス税の撤回により、Appleは当面の追加税負担を回避できた形だが、欧州での規制環境が緩和されたわけではない。デジタル市場法(DMA)に基づく規制措置は継続されており、Appleの欧州事業には引き続き影響を与えている。
7月16日に正式発表される予定の2028年から2035年のEU予算案では、デジタルサービス税は盛り込まれない。ただし、今後の米国との通商交渉の結果やDMA執行状況によって、Appleを取り巻く欧州での規制環境は変化する可能性がある。
(Source: MacRumors)
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