トランプ大統領がAppleに警告「インドでiPhone作るな」米国生産増強を要求
ティム・クックCEOに「インドは自分で何とかできる」と直接伝える一方、インド政府は「Appleの投資計画に変更なし」と発表
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トランプ大統領がAppleのティム・クックCEOに対してインドでのiPhone製造拡大を止めるよう要請した。この要請は、Appleが中国からの生産シフトを進める計画に影響を与える可能性がある。
トランプ大統領はカタール訪問中に「昨日、ティム・クックと少し問題があった」と発言。「彼はインド全土で生産を拡大している」と述べた。さらに「インドは実質的に関税をかけないという取引を提案してきた。私はティムに『我々はあなたを本当に良く扱っている。何年もの間、中国に建設した工場をすべて我慢してきた。我々はあなたがインドで生産することに興味がない。インドは自分たちで何とかできる』と言った」と説明した。
トランプ大統領によれば、この会話の結果、Appleは「米国での生産を増やす」ことになるという。
トランプ大統領がインド生産に反対する理由
トランプ大統領がインドでのiPhone生産に不満を持つ背景には、彼の「米国第一」の貿易政策がある。トランプ政権は「相互関税」を導入し、相手国が米国に課している関税と同じ率を、その国からの輸入品に課す方針を打ち出している。インドの場合、米国への輸入品に対して26%の関税が課される見込みだ。
トランプ大統領は「米国内での生産を増やすべきだ」という持論を一貫して主張しており、海外生産から米国生産への転換を企業に促している。特にAppleに対しては以前から「iPhoneを米国で作るべきだ」と繰り返し要求してきた。彼の狙いは明確で、米国内での雇用創出と貿易赤字の削減を目指している。
インドでのiPhone生産は急拡大中
3月に終了した会計年度において、AppleのインドでのiPhone生産額は220億ドル(約3兆3000億円)に達し、前年比で約60%増加した。しかし、トランプ大統領の発言は、Appleが来年末までに米国向けiPhoneの大部分をインドから輸入するという戦略に複雑な影響を与えることになりそうだ。
Appleとその製造パートナーは、ここ数カ月で中国からの移転を加速させてきた。この動きは、新型コロナウイルスの制限が工場の操業を妨げた後に始まり、米中間の緊張が続く中、特にトランプ大統領が中国からの輸入品に高い関税を発表したことで一層加速している。
Appleの生産拠点分散戦略
インドで製造されるiPhoneの大部分は、同国南部にあるフォックスコンの工場で組み立てられている。ウィストロンの現地事業を買収し、ペガトロンのインド事業を管理しているタタ・グループの電子機器製造部門も、もう一つの主要サプライヤーとなっている。
最近の決算発表の際、クックCEOはサプライチェーンの将来について「すべてを一箇所に置くことにはリスクが大きすぎることを以前に学んだ。我々は時間をかけて、サプライチェーンの特定の部分について、新しい供給源を開拓してきた。将来的にもそのような取り組みが続くだろう」と述べている。
同じ決算発表で、クックCEOはAppleの米国への貢献も強調し、今後4年間で5000億ドル(約75兆円)を費やす計画や、複数の州での施設拡大について言及した。テキサス州での先進的なサーバー製造のための新工場は、今年後半にオープンする予定だ。
インドでの生産にも課題
インドでの生産拡大にも課題がある。インドには電力不足などの脆弱なインフラや熟練工の不足、強力で独立した労働運動といった問題がある。これらの課題があるため、Appleも中国からインドへの生産移転を慎重に進めている。
また、トランプ政権の「相互関税」政策もAppleにとって大きな懸念材料だ。インドの平均関税率は2022年時点で11.9%と、米国の3%台よりもかなり高い。もしインドで組み立てられたiPhoneの輸入に米国で高い関税が課せられれば、Appleの販売戦略に大きな影響を与える可能性がある。
現在、Appleは米国で販売する年間約6000万台のiPhoneを2026年末までに全てインドで組み立てる計画を進めている。この計画を実現するには、インドでのiPhone生産数を現在の2倍以上に引き上げる必要がある。
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