Apple、マップに広告導入を再び検討中。2022年に断念した計画が再浮上
App Storeと同様の検索広告システム、AI活用で"来年にも"実装か

Appleが「マップ」アプリに広告を導入する計画を進めていることが明らかになった。BloombergのMark Gurman氏によると、早ければ来年にも実装される可能性があるという。
Gurman氏の最新「Power On」ニュースレターによると、AppleはiOSにさらなる広告を導入する計画が進行しており、「マップ」アプリがその次のターゲットになるそうだ。レストランなどの店舗が広告料を支払うことで、検索結果の上位に表示される仕組みを構築している。
App Storeの「Search Ads」と同様の仕組みを採用
今回導入される広告システムは、App Storeの「Search Ads」と似た仕組みになるとのこと。開発者が広告料を支払うことで、関連する検索クエリに対して自社アプリを上位表示できる仕組みだ。
AppleはAIを活用して関連性の高い広告を配信する計画で、GoogleやほかのMapサービスよりも優れたインターフェースを提供するとしている。ただしGurman氏は、この動きが一定の消費者からの反発を招く可能性があると警告している。
2022年に一度検討されたが実現せず、今回再び計画が浮上
実は「マップ」アプリへの広告導入は、今回が初めてではない。2022年にも同様の計画を報じており、当時は広告を表示するためのエンジニアリング作業がすでに進められていたとされていた。しかし結局、Appleは方針を変更し、実装には至らなかった。
その後、2025年2月に再びGurman氏が「Appleが広告導入のアイデアを再検討している」と報道。ただし今回はまだエンジニアリング作業は開始されておらず、実装までには相当の時間を要する見通しだった。
今回の最新報道は、その計画が具体的に動き出していることを示唆している。新しい広告システムは従来のバナー広告とは異なり、検索結果に組み込まれる形式を採用する予定。例えば、ユーザーが「ハンバーガー」を検索した際に、飲食チェーン店が優先的に表示される仕組みだ。
Appleの広告事業拡大、ユーザーエクスペリエンスとのバランスが課題
現在、GoogleマップやWaze、Yelpといった競合サービスではすでに検索広告が実装されている。AppleはApp Storeでも同様の広告システムを展開しており、開発者向けに検索キーワードに基づいたアプリ広告を提供している。
この新機能はAppleのサービス部門の収益強化策の一環とみられる。Appleはこれまでプライバシーとユーザーエクスペリエンスを重視する姿勢を貫いてきたが、広告事業の拡大はその方針とトレードオフの関係にある。
App Storeに続いて「マップ」アプリにも広告が導入されれば、Appleの収益源は多様化する一方で、ユーザーからの信頼を損なうリスクも孕んでいる。2022年に計画が頓挫した経緯を踏まえると、今回も実装されるかどうかは不透明だが、Appleの広告事業拡大への意欲は確かなようだ。
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