Jony Ive、「最高デザイン責任者(CDO)」に昇進!新体制の意味とは
【img via 9to5Mac】
本日、Jony Ive氏が「Chief Design Officer(CDO、最高デザイン責任者)」に就任することが明らかになった。これはThe Telegraphによって報じられた後、9to5MacのMark Gurman氏が入手したTim Cook氏から従業員に宛てられたメッセージで裏付けされた。
Ive氏が最高デザイン責任者に就任するということは事実上、昇進になる。信頼できる側近のAlan Dye氏(冒頭の写真左)をインタフェースデザインの担当責任者に、Richard Howarth氏(冒頭の写真右)はハードウェアを中心とした工業デザインの担当責任者に就任する。新体制は6月1日に執行される。
なぜAppleはこのタイミングでこの人事を発表したのだろうか。9to5MacがJony Ive氏が最高デザイン責任者に就任するということの意味について解説していたので紹介する!
新体制で権限を譲渡へーー家族との時間に充てられるように
最高デザイン責任者に昇進したIve氏は依然としてデザイン全体を統括することには変わりないが、同時にDye氏とHowarth氏を昇進させることによってIve氏は実質自分の統括しているデザインの権限を2名に譲渡したという見解を示している。
権限を譲渡することによってIve氏はどうするのか。ついに引退か?まさか、まさか。ただ、今よりもイギリスに戻り家族と過ごす時間を増やすことができるようになるかもしれない。The Telegraphには「今よりも移動することが増えるだろう」とコメントしていることが明かされている。
Jony will travel more, he told me. Among other things, he will bring his energies to bear – as he has already since their inception – on the Apple Stores that are proliferating around the world. The company’s retail spaces have been one of their most extraordinary successes.
冷静に考えてみるとこの発表は不思議だ。2012年10月にScott Forstall氏がAppleを離れたのはハードウェアデザインとソフトウェアデザインをJony Iveがどちらも統括することによって統一化を図ることが目的であると思われた。今回はその動きにある意味逆戻りしているという見方もできるだろう。
一方、Jony Ive氏は母国であるイギリスに帰りたいという意思はあった、と過去に何度か伝えられている。とは言え、Ive氏なきAppleなんて考えられないため、重要なポストに信頼できる側近を立て、自分の自由度を増すような辞令が執行されたのではないかと推測されている。
もちろん、Ive氏はこのまま雲隠れする訳ではない。Apple Storeや新しい本社「Spaceship Campus 2」のデザインも引き続き担当する見通し。ただ、「1つの時代が終わったようにも感じる」と9to5Macは結論付けている。確かにある意味そうかもしれない。
これからのiPhoneやMac、iOSやOS Xはどうなるのか。新体制になってからの変化には注目だ。