【レビュー】Tortuga Setout 35Lーー現時点の最強バックパック
大容量ながらも各種小物用のポケットが充実した、背負い心地とデザイン性が優れたバックパック
僕は大荷物で有名だ。どこへ行くにしても同じバックパックを背負っている。
先日、「flick! digital(フリックデジタル) 2019年5月号 Vol.91」の『Inside Nomad Work’s Bags』というバッグの中身を紹介するコーナーに出してもらったのだが、取材やジムなどに行かず、普段背負っている荷物の重量は7.72kgもあった。
この重さを背負っていても気にならないのは、僕の中の「良いバックパック」選びで重要視している9つのポイントを抑えたバックパックを使っているから。現時点で僕にとって最強のバックパックが、今回紹介する「Tortuga Setout 35L」。
バックパックのメーカーであるTortugaは海外発送を昨年末で終了してしまっているため、現在はMyUSなどの転送業者を使用する必要があるが、取り寄せた甲斐があったと断言できるほど気に入っている!
早速紹介する!
「Tortuga Setout 35L」の外観素材、ショルダーストラップ、クッションなど
「Tortuga Setout 35L」の外観は少し丸みを帯びたデザインとなっている。外側の素材には、バイクジャケットにも使われる軽量かつ高強度・高耐久性の素材「ポリエステル900D」を使用。撥水コーティングは用意されているものの防水素材ではないため、大雨の中で使用する場合は専用のレインカバーを装着する必要がある。
サイズは21.5 x 13.5 x 7.5インチ(54.61 x 34.29 x 19.05cm)。本体重量は3.4ポンド(約1.54kg)。容量35リットルであることを考えると、比較的軽い部類に入る。
なお、機内持ち込み手荷物の基準も満たすサイズ。限界まで入れた場合は100席未満の国内線ではサイズオーバーになってしまうが、100席以上であれば問題ない。
横に取っ手が用意されていることにより、バックパックが横向きになっている時に握りやすいというメリットがある。特に、このバックパックは旅行用として使うことが想定されているため、飛行機のオーバーヘッド・ストレージに入れた場合、取り出しやすい。
左右にある圧縮ベルトを活用すれば、荷物が入っていない時のバックパックのマチを狭くすることができる。最近は「単にカバンそのものが大きいだけで荷物が入っていないことの方が多い」アピールをするためにこれらを活用するようにしている。
ショルダーストラップは一見薄いように見えるが、実はかなりしっかりとした作りになっていて、使っているうちに身体にフィットする仕組み。
以前愛用していた「Tortuga Outbreaker Travel Backpack 45L」のような分厚いクッション性はないが、つけ心地は変わらないどころか、むしろこっちの方が好みかもしれない。
このショルダーストラップは「Injection-molded Foam(射出成形フォーム)」と「Air Mesh(エアーメッシュ)」によって作られているとのこと。従来のストラップとは明らかに異なる素材が使われ、弾力と硬さの程よいバランスがとても気に入っている。
ショルダーストラップは取り外してしまうことが可能。僕には必要ない機能ではあるが、オーバーヘッド・ストレージに入れる場合、ストラップがダラダラしているよりも取り外した方が、取り出す時に便利そうだ。
また、今回はサイズゆえに外してしまっているが、ヒップベルトも用意されている。実は僕はこの「Tortuga Setout」の45リットルモデルも持っているのだが、全く同じヒップベルトが用意されている。
さすがに35リットル用としては大きすぎる上に大袈裟に見えるので、長時間の取材など背負ったままの状態が長く続かない限りは取り外して家に置きっぱなしにしている。
ショルダーストラップの上部には「ロードリフター」と呼ばれるストラップが用意され、バックパックの上部を肩の方向に寄せることで重心が身体の中心に寄り、背負いやすくなる。これがあるのと無いのとではかなり体感が変わる。
実際に横から見るとショルダーストラップがしっかりと肩を覆うようにフィットしていることが分かる。肩のラインに沿うように背負うことができていることが、背負い心地を良くしてくれる・
チェストストラップも用意されている。写真の見栄えの都合で少し広めに固定しているが、実際に背負っている時はショルダーストラップをもっと内側に寄せていることが多い。
とは言え、この状態で背負っていても快適。このショルダーストラップはとにかくよくできている。今のところこれよりも快適な作りは体験したことがない。
背面側は、日常用に使うバックパックとしては非常に高いクッション性を実現。
大きく分けて3つのクッションが用意され、1つは背中上部でU字型に、残り2つはY字型に左右1つずつ置かれている。背負う時、これらのクッションで背中を支え、空いたスペースは空気を通すことができるため夏場の蒸れも抑えることができ、快適さを継続することができる。
旅行用バックパックを謳っていることあり、背負心地は徹底的に追求されていることがよく分かる。だからこそ、普段から重い荷物を背負っている僕にとってマッチするバックパックであり、快適なのだろう。
使い勝手が良い小分け用ポケットとメインポケットの収納力
続いては「Tortuga Setout 35L」の各ポケットを紹介する。1番外側には比較的深さのあるシンプルなポケットがある。僕はここにハンドサニタイザー、各種ケーブル、iPhone用万能チャージャー「SuperMobileCharger」などを入れている。
その次にあるポケットは、小物を入れるためのポケット。キーホルダーやジップ付きのポケット、ペンホルダーなどがあり、とても便利。ここにはMacBook Proを充電できる「Hyperjuice」、「AirPods 2」、「LAMY 2000」の他、財布や名刺入れなどを入れている。
かなり深さがあるため、荷物をボンボン入れることができる代わりに取り出すのが大変になる場合もある。
深さのあるこのポケットはクッション性が高く、タブレットなど薄型の電子機器に最適。
その手前にあるジップ付きポケットは財布や鍵などの貴重品を入れておく。
続いてメインのポケット。スーツケースのように横向きに開く仕組みになっていて、入れた大量の荷物が探しやすい。
蓋となる部分にはメッシュポケットが2つ用意されている。上にはプロテインバー、下には何かあった時にプラ袋を入れてある。
もちろん、僕のバックパック選びに欠かせないPCポケットも完備。
PCポケットは最下部より少し浮かした「フォルス・ボトム」を採用。万が一バックパックを勢いよく地面においたとしても、中にあるバックパックが地面と接触するリスクは大幅に低減される。
PCポケットはスリーブが2種類あり、一方はクッション性が高く、もう一方は書類などを入れることができそうな薄さ。さらにその手前には深いポケットがあり、実質的にノートパソコン2台、タブレット1台ぐらいは収まる。
35リットルのバックパックには実際、どの程度の荷物が入るのか。パッキングキューブなどを活用すればより多くの荷物が入ることは重々承知しているが、普段持ち運んでいるものに加えて弁当用のタッパーなどを入れてみても余裕で収まる。
GIFアニメにしてみた!吸い込まれるように「Tortuga Setout 35L」の中に入り込んでいく!
高機能で軽く、大容量でデザイン性も良いバックパック
普段僕が持ち運んでいる荷物を入れた状態のバックパックはこの通り。このバックパック唯一の欠点は、重さで型くずれしてしまう点。荷物が詰まっていれば気にならないが、少ないとどうしても下がって見える。
ただ、この型崩れ問題を除けば僕の中で最強とも言えるバックパックだ。僕の中の「良いバックパック」選びで重要視している9つのポイントのうち、大部分を満たすことができている。
PCポケットや小物入れのポケットが充実、バックパック本体が比較的軽量、ショルダーストラップの背負い心地が良く、背面のクッションに通気性があり、取外し可能なヒップベルトがあり、何よりも荷物が大量に入る。
大容量だが、左右の圧縮ストラップを使えば見た目をコンパクトにすることができ、使い勝手が良い。見た目もベストではないが、現時点ではベストに近いベスト。
冒頭でも触れたように海外発送がなく転送業者を使う必要があるものの、使う価値があるバックパックだと思っている。興味がある人は下記公式サイトをチェックするべし!