2019年のiPhoneがUSB-CではなくLightningポートを搭載する3つの理由
2019年のiPhoneはUSB-Cになるのか、ならないのか。
iPad Pro(2018)がUSB-Cポートを搭載したことにより次期iPhoneもLightningポートを捨てUSB-Cポートになるのか、と一部で期待されていたが、どうやら今年は実現しない方向に傾いている。
Macお宝鑑定団Blogが2018年12月に開催された「MFi Supplier Conference 2018」でアクセサリーメーカー関係者からの情報によると、2019年のiPhoneはLightningポートを引き続き採用する可能性が高いと伝えている。
その理由は、一体なぜなのか。
端末コストやケーブルビジネス、ワイヤレス充電が理由
関係者の情報によると、2019年のiPhoneがUSB-CではなくLightningを引き続き採用する理由は大きく分けて3つ。
1. USB-Cになると端末コストが上がるから
1つはiPhoneの端末コストの維持。もし、次期iPhoneがUSB-Cポートを採用した場合、USB-C – Lightningケーブル」を用意するだけではなく新たに「EarPods with USB-C Connector」を開発し用意する必要がある。
さらに、USB-Cポートを搭載する以上は高速充電を可能にする「USB Power Delivery」のメリットを明確にするため、電源アダプタも「18W USB-C電源アダプタ」を同梱する必要があり、現在同梱されている5WのUSB充電器よりもパッケージ全体のコストが上がってしまう。
2. 7.5W高速ワイヤレス充電と差別化するため
関係者によれば、新型iPhoneには5WのUSB電源アダプタ、「Lightning – USBケーブル」、「EarPods with Lightning Connector」の同梱が継続されるとのこと。Lightningポートを搭載することにより、従来と同梱物は全く同じになるそうだ。
その理由として、7.5Wの高速ワイヤレス充電が5WのUSB電源アダプタよりも高出力であることを説明するため、だという。
次期iPhoneにUSB-Cポートが採用されてしまうと「ワイヤレス充電よりも有線接続した方が早いじゃん」ということになり、ワイヤレス充電の普及に影響を及ぼす可能性がある。
3. サードパーティ製「USB-C – Lightningケーブル」ビジネスの維持
年明け早々、BelkinやAnkerをはじめ、次々とサードパーティ製「USB-C – Lightningケーブル」が発表された。
「MFi Supplier Conference 2018」では、「USB-C – Lightningケーブル」をサードパーティメーカーが製造する場合は「C94コネクタ」が必要であり、iPhone 8および10.5インチ型iPad Proにおいて同ケーブルを使用する場合は「USB PD」に対応する必要があるとメーカー各社に説明したばかり。
新チップを搭載したケーブルがあれば「USB PD」による高速充電が利用可能になる他、サードパーティがこれらのケーブルを提供開始できるようにしたばかりということもあり、Appleとしてはこのケーブルビジネスを維持する狙いがあるのではないかと指摘されている。
よって、2019年のiPhoneではUSB-CではなくLightningポートになる可能性が高そうだ。それどころか、上記が本当に理由だとすれば、iPhoneは向こう数年間はLightningポートのままになるかもしれない。