MX Master 4を2週間使って分かった、目玉新機能の現実

Action Ringは左手デバイスと同じ運命か。キーボードショートカット派には出番が少ない現実

MX Master 4を使い始めてから約2週間が経過した。各所のレビューを見ていると、新モデルの登場に対してかなり好意的な反応が多い印象を受ける。実際、僕も待望のアップデートだと感じているし、完全トラックボール派ではなくマウス派の僕にとってはありがたいモデルだ。

耐久性の高い素材を採用した外観は長く使えそうな印象を与えてくれる。そういった点はすごく良い。しかし肝心の最大の進化ポイントであるAction Ringがなかなか使いこなせていないというのが、現時点での正直な感想だ。

MX Master 3Sとの使用感の違いは、まだ感じられていない

正直なところ、現時点での使い方はMX Master 3Sとそれほど大きく変わっていない。おそらく最も重要な進化であるAction Ringの追加なのだが、やはりこの機能は左手デバイスと同じような感覚で、実際に使いこなす意識を持ってワークフローに組み込まないと活用できないという印象を受ける。

実際に僕も色々とAction Ringに機能を割り当てているのだが、なかなか「使う」という考え方が自分の中にまだ身に付いていない。ほとんど使いこなせていないというのが現状だ。つまり、これはやはり左手デバイスと似たような感覚だなというのが今のところの印象である。

左手デバイスとの決定的な違いは「常に手元にある」こと

ただし1つ言えるのは、左手デバイスは実際にデバイスそのものを出しておかないといけないという点だ。左手デバイスがあっても使わないという感覚になってしまうと、「やっぱり左手デバイスは必要ない」と片付けてしまう気持ちになる。

しかしマウスに左手デバイスとしての機能が実装されていることで、使いこなそうと思えるタイミングが格段に増えている。実際にこれを使うことで、うまく使いこなせるのではないかと期待している部分もある。おそらく使いこなすことで操作効率が格段に向上したり、アクセスが楽になったりするはずだ。

キーボードショートカット派にとっては出番が少ない？

ただし、僕はもともとキーボードショートカットで様々な機能を利用する感覚があるため、それを使うことでAction Ringの出番が少ないというのも現状だ。おそらく自分自身の作業の見直しや、作業の仕方を見直すことで、Action Ringの恩恵を受けられるようにするのが大事なのではないかと思っている。

ハプティックフィードバックの実装も実はすごく面白い取り組みだし、作動するタイミングでは「おっ」と思うことは結構ある。しかし僕は主にテキストを書いている関係で、なかなかこのハプティックフィードバックが反応しないなというのが正直なところ。つまりMX Master 3Sと大きなユーザー体験の変化は、残念ながら感じられていないというのが現状だ。

MX Master 3Sからの買い替えは「何とも言えない」

このことから、現時点ではMX Master 4がMXシリーズの最高峰モデルであることは間違いない。しかしMX Master 3Sを使っている人がこれを買い換えるべきかという点に関しては、何とも言えないというのが現状だ。

Action Ringを使いこなすという強い意志があれば、もちろんこの新機能の恩恵を受けられるとは思う。しかし現状では僕自身にとってはそれがまだできていないこともあって、まだこの恩恵を受けられていないというのが正直なところ。控えめに言って、とても悔しい。

MX Master 2からの買い替えなら、迷わず4を選ぶべき理由

MX Master 2S以前からの買い替えを検討している人は、もちろん長く使うことを考えたり、表面が剥がれやすくなったりすることを考えるとMX Master 4を選んだほうがいいことは間違いない。しかし目玉機能であるAction Ringを使いこなせないのであれば、MX Master 3Sでも静音性などの恩恵は十分に受けられるというのが正直なところだ。

ちなみに僕のMX Master 3Sは未だに剥げていない。Action Ringを使いこなせる自信がないなら、むしろMX Master 3Sをおすすめしたいところだ。今後このAction Ringをどんどん使いこなしていきたいなとは思っているのだが、いかんせん普段マウスを持ち運ぶということがあまりないので、その恩恵を受けられるかどうかはちょっとまた別かもしれない。