自宅勤務の僕が数年ぶりに平日の満員電車に乗って体験したこと

先日、平日の朝7時台の電車に乗る機会があった。普段は自宅で仕事をしているため、そもそも電車に乗る機会が会社員時代に比べて格段に減った。電車に乗るにしても朝の満員電車の時間帯に乗ることは実に数年ぶりなのだ。

久しぶりの機会だったので、3種類の路線を乗り継いだ中で遭遇した様々なストーリーを載せておく。おそらく得るものは何もない記事になってしまうかもしれないが、何年も満員電車に乗っていないとこんなことが新鮮に感じるのか、と温かい目で見守ってもらえれば幸い。

通勤時間帯の満員電車には様々なストーリーがあった

最初の乗換駅で次の電車を待つために列に並んだところで事件が起きた。

会社員らしきおじさんと高校生らしき青年が前に立っていたのだが、おじさんが怖い顔で青年に向かって何かを言っている。僕は音楽を聞いていたので何を言っていたのか聞き逃してしまったのだが、青年も音楽を聞いていたせいか全く動じず、表情1つ変えずにおじさんを見つめていた。

どうやらおじさんが怒っていたようだ。こんな朝早くからあんだけ険しい顔で怒れるなんて、凄い血行がいいんだろうな。

しばらくするとおじさんは去っていってしまった。結局何について怒っていたのだろうか、気になって仕方がない。青年は特に動揺した様子もなく、iPhoneを取り出した。

僕なら速攻でTwitterを開いてそこそこの暴言を投稿するに違いないが、ちらっと見えた画面にはTwitterではなくSpotifyが表示され、曲を変えていた。冷静すぎて感動した。そもそも聞こえてなかったのかな。

満員電車の最大の恐怖は、完全な無罪でも痴漢に間違われること。犯罪者は捕まえるべきだが、何もやっていないのに痴漢の疑いをかけられるのは本当に最悪。

近くに女子高生が立っていた。これからの季節、彼女らは汗だくになったおじさんに囲まれて通学すると考えると気の毒だが、そんな彼女らに「痴漢です」と言われたら男はそこで人生が終ったも同然。

噂によると男性は状況的に不利になりやすいんだとか。生きづらい世の中だ。

ただでさえ顔が怖いと言われがちな僕なので、基本的に両手で手すりに捕まり、過ごす。良い体幹トレーニングだった。

満員電車はポジション取りが命。幸いにも乗っている時間が短かったので何とかなったが、何十分も乗るには潰されづらく、誤解されづらく、立ちやすい場所を確保しなければならないなと改めて思った。

どの電車、どの車両にもいる。ドア付近に立っているのに、人が降りる時に降りてくれない人。大体おじさん。スーツがよれ気味。

あの人達は一体何なんだ。そもそもポジション自体も大して良くないのに、なぜどいてくれないんだ。そして高い確率で大人数の波に勝てずに押し出されて舌打ちするという。いや、どう考えてもお前が悪いだろ。

今回の満員電車体験も例にもれず、どかないおじさんに遭遇したが、早々に諦めてくれた。振り返ってみたら疲れ果てた顔をしていたので、もしかしたらお疲れで身体が反応できなかったのかもしれない。おじさん、お疲れ様。

NON STYLEの石田さんの奥さんが見知らぬおばさんに暴言を吐かれた記事が話題になっていた。あの暴言おばさんは人間として最低だと思う。

ただ、子連れの家族はこれに近い状況に遭遇する可能性はいくらでもある。僕自身も娘を持つ親として電車に限らず公共の場におけるベビーカーの過ごし方には人一倍気をつけているつもり。

ベビーカーだから仕方ない、子どもがいるから仕方ない、とは思わないが、ベビーカーがあり子どもがいるからどうにもできないこともある。公共空間はお互いの思いやりが重要な場所だと思っているので、自分の家族を守ることも大事だが、周りへの配慮も怠らないようにしたい。

3本目の電車にベビーカーを開いたまま座席に座っていた家族と一緒になった。ベビーカーの上には色々な荷物が載せてあり、畳めない状況だったと想像したが、車内はそれなりに混み合っていたので周りの反応が気になっていた。

ベビーカーの横に立っていた眠そうなおじさんがベビーカーを気にしていた。何か言うのかじっと見守っていたが、特に何かするわけでもなく、僕と同じ駅で降りた。ホッとした。

行きに買っていったおにぎりを食べようと取り出してみたら、ぺっちゃんこになっていた。写真だと沸かづらいが、上半分が潰されてしまっている。オウマイガー。

これぞ満員電車の洗礼。ちなみにコンビニのおにぎりも久しぶりだったのだが、これはすごく美味しかった。