Mac Proの8コア/12コア/16コアモデル、Geekbench 5のベンチマークスコアはiMac Proとほぼ同じ

「Geekbench 5」を利用したCPU性能を計測するベンチマークテスト結果によると、最新のMac Pro（2019）の8コアモデル、12コアモデル、16コアモデルのスコアは2年前に登場したiMac Pro（2017）に近い結果となっていることが分かった。2年も前のプロモデルと性能差がほとんどないというのは果たして……？

8コアモデルに至ってはMac Proの方が劣っているという結果に

Mac Pro（2019）の8コアモデルは、シングルコアスコアが「1008」、マルチコアスコアが「7606」となっている。iMac Pro（2017）の8コアモデルはシングルコアスコアが「1076」、マルチコアスコアが「8120」となっていて、僅かな差ではあるがむしろ「Mac Pro」の方が劣っている。

Geekbench 5：Macのマルチコアスコア一覧（一部）

iMac Pro（2017）の性能をさらに上回っているのが27インチ型「iMac 5K 2019」。シングルコアスコアで「1253」、マルチコアスコアで「8205」となっていて、シングルコアスコアで24％差、マルチコアスコアで7％差が確認されている。

8コアのMac Pro（2019）

ベンチマークスコアはあくまでも計測値であり、実作業においてはどれほどの性能差として確認できるかは不明。ただし、このスコアだけで判断するとすれば、8コアモデルを買うのであればiMac Pro（2017）や27インチ型「iMac 5K 2019」の8コアモデルのコストパフォーマンスは高く、選択肢として検討しても良いかもしれない。

さらに言えば、iMac Pro（2017）の14コアモデルはMac Pro（2019）の12コアモデルに匹敵するパフォーマンスを持っていることも確認できる。2年前のモデルとは言え、「Geekbench 5」の計測結果だけで見ればプロマシーンとして十分通用するということなのかもしれない。

余談ではあるが、シングルコアスコアだけで見るとMac Pro（2019）は低い。マルチコアパフォーマンスを必要とするような人が「Mac Pro」を求めることから特に問題ないかと思うが、Mac Pro（2019）の16コアモデルよりも13インチ型MacBook Pro（2019）や16インチ型MacBook Pro（2019）、「Mac mini (2018)」の8コアモデルや27インチ型「iMac 5K 2019」の8コアモデルの方が高いのはちょっと不思議だ。

Geekbench 5：Macのシングルコアスコア一覧（一部）

iMac Proのパフォーマンスが近いMac Proの構成があることはメリット

これらの計測結果を見てMac Pro（2019）の性能は低い、と結論付けるべきではない。誰しもがすべてのスコアにおいて圧倒的な数値を叩き出してくれることを期待していたかもしれないが、iMac Pro（2017）や27インチ型「iMac 5K 2019」のパフォーマンスに近い構成を用意することによってユーザーとして選択肢が広がるといえる。

具体的には、一体型マシーンが欲しい人と、カスタマイズ性が高いマシーンが欲しい人、どちらにも選択肢を提供できる、ということ。

Mac Pro（2019）は基本的にすべての構成を比較的自由にアップグレードすることができるが、iMac Pro（2017）や27インチ型「iMac 5K 2019」にはその自由がない。その代わり、美しい5Kディスプレイが内蔵され、電源ケーブル1本で使い始めることができる。省スペース性能はiMacシリーズの方が優れているとも言える。

将来的により高いパフォーマンスが必要になる可能性があるのであればMac Pro（2019）、現状のパフォーマンスで数年間は問題ないのであれば「iMac Pro 2019」や27インチ型「iMac 5K 2019」の方が大幅な節約になるはず。拡張性の「Mac Pro」、オールインワンの「iMac/iMac Pro」ということではないだろうか。

個人的にはiMac Pro（2017）はPro Display XDRに接続しても6K解像度での出力はできず、5K解像度に制限されてしまう仕様となっていることから来年にはアップデートされるのではないかと予想。今後数年間使うことを見据えるのであれば、今年アップデートされたばかりの27インチ型「iMac 5K 2019」を買った方が安全ではないかと考えている。