電池が劣化したiPhoneの性能を落とす機能、iOSのアップデートで無効化可能に
iPhoneのバッテリーの健康状態を確認するための機能は来月2月に予定されている開発者向けのベータ版で提供開始することが、ABC Newsが実施したAppleのCEO Tim Cook氏とのインタンビューの中で明らかになった。
電池の使用状況を可視化できるだけではなく、電池が劣化したiPhoneの性能を落とす機能そのものを無効化することができる機能も用意されるとのこと。
ユーザー自身でバッテリーとパフォーマンスの関係性を確認することができるように
これは、Appleが昨年末に発表した公式謝罪文の中で明らかにした、「iPhoneのバッテリーの状態をユーザーにわかりやすく示す新機能」のことを指している。
2018年の初頭に、iPhoneのバッテリーの状態をユーザーにわかりやすく示す新機能を持ったiOSのソフトウェアアップデートを提供します。これにより、ユーザーはバッテリーの状態がパフォーマンスに影響を与えているかどうかを自分で確認できるようになります。
ここでは機能そのものを無効化することについては明言していなかったが、今後はiPhoneの電池持ちよりもパフォーマンスを優先することができるようになる見込み。
そもそもこの機能は、デバイスが突然シャットダウンするバッテリー化学の課題を解決するための機能として実装されたもの。バッテリー残量が低下している時にピークエネルギーの負荷を処理する能力が落ちることが判明したため、ソフトウェアにより一部のシステムコンポーネントの最大パフォーマンスを動的に管理し、この問題を解決。
その結果が「電池が劣化したiPhoneの性能が落ちる」のだが、一部で批判されていた強制的に買い替えを促すためではなく、少しでも長くiPhoneを安全に使い続けてもらうことが目的だった。Appleとしては突然電源が落ちるよりも、表示されている電池残量分を使い切ることができることを重要視していたのだ。
パフォーマンスを低下する機能を無効化できることを喜ぶ人もいるかもしれないが、Cook氏はこの機能の利用を「推奨しない」とコメント。理由は、緊急事態にiPhoneが電池切れで使用できない可能性があるから。無効化する場合は、iPhoneの電源が突然落ちても自己責任、となる。
今年2月頃に開発者向けにリリースされるということは、一般リリースは3月頃になると予想される。
インタビュー動画が公開されていたので、気になる人は下記からどうぞ!
このバッテリー問題の一環で、Appleは「iPhone 6」以上のiPhoneに対し、通常8,800円の電池交換費用を3,200円まで値下げ。交換条件は特になく、本体を持ち込めば無条件で交換してくれる。
ただし、1台につき1回限りとなっているため、困っていない人以外は交換期限である2018年末ギリギリに交換することをオススメする。
(via 9to5Mac)