同じM3チップでも違いアリ。MacBook AirよりMacBook Proのほうが「高い負荷に長時間耐えられる」

MacBook AirがM3チップを搭載したことで、MacBook Airを選ぶべきか、MacBook Proを選ぶべきか悩んでいる人もいるだろう。YouTubeチャンネル「Max Tech」の検証によると、高負荷が掛かる作業を長時間にわたって行う場合、冷却構造がより優れているMacBook Proのほうが高いベンチマークスコアを記録したという。

GPU負荷の計測に使用したベンチマークツールは、3D Mark Wild Life Extreme。CPU負荷はCinebench 2024で検証している。GPUテストでは内蔵ファンを搭載しないMacBook AirのGPU温度を抑えるべくサーマルスロットリングが見られ、スコアの安定性が98％だったMacBook Proに対し73.2％だった。一方でCPUテストでは同様の傾向は見られたがスコア差は8％に留まった。

14インチM3 MacBook Proは内蔵ファンが1基あり、高負荷を長時間こなす上では有利に働く。キートップの温度も、MacBook Proのほうが低かった。

Max Techは「動画編集などの瞬間的な高負荷を必要とするシーンではMacBook Airでも問題ない」と結論づけている。Officeアプリケーション、ウェブブラウジング、動画の視聴などには影響を及ぼす可能性は低い。

薄さと軽さを優先するのであれば、MacBook Airを優先するべきだろう。13インチMacBook Air重さ1.24kg、薄さ1.13cm。14インチMacBook Proは重さ1.55kg、薄さ1.55cmとなっており、携帯性ではMacBook Airに軍配が上がる。

しかしMacBook Proには以下のようなメリットがある。

特に目立つのは、ディスプレイ性能。普段は外部ディスプレイを接続して使用し、携帯性に優れたポータブルマシーンが必要であればMacBook Airは最適だ。しかし本体の内蔵ディスプレイを使用する機会が多いのであれば、MacBook Proのディスプレイは選ぶべき理由になる。

またHDMIポートとSDカードスロットを搭載していることで、都度カードリーダーやUSBハブなどを用意する手間が省ける。スピーカーの性能は驚くほど優れており、BGMを流す目的であれば十分な音圧が楽しめる。

僕は14インチMacBook Proと13インチMacBook Airを並行して使っている。写真や動画の編集など負荷の高い作業を頻繁に扱うため、メインマシーンはMacBook Proだが、負荷の高い作業を行わないと分かっている日はMacBook Airを選ぶ。重量差は310gだが、その差は意外と体感できる。

僕は昔から「作業効率のボトルネックは自分であるべき、使うツールがボトルネックになるべきではない」との考えから高いスペックを持つマシーンを選んできた。現状のラインアップでも心はMacBook Proに傾いてしまうが、デュアルディスプレイが利用できるようになった今、実際はM3 MacBook Airでも十分だろう。