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クック船長「AppleはAIを掴まなければならない」異例の全社会議で緊急決意表明

Meta人材流出で危機感露わ、AI専用チップ開発と他社買収検討(Perplexity?)も明かす

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Bloombergの報道によると、Apple CEOのティム・クックは現地時間8月1日、本社キャンパスのスティーブ・ジョブズ・シアターで異例の全社会議を開催した。業績発表翌日という異例のタイミングで実施されたこの1時間に及ぶ「応援演説」で、クックはAI革命への取り組みについて従業員に向けて強いメッセージを送っている。

クックは「AppleはAIを掴まなければならない。そして、Appleはこれを成し遂げる。これは我々が掴むべきものだ」と宣言し、「投資を行ってこれを実現する」と約束した。AI革命について、インターネット、スマートフォン、クラウドコンピューティング、アプリと「同等かそれ以上に大きな影響を与える」技術だと位置づけている。

Apple流の「後発優位」戦略を強調

AI分野への参入の遅れについて、クックはAppleの伝統的な戦略を引き合いに出して正当化を図った。「我々は滅多に最初ではない」として、「Macの前にはPCがあり、iPhoneの前にはスマートフォンがあり、iPadの前には多くのタブレットがあり、iPodの前にはMP3プレーヤーがあった」と説明。しかし、Appleはこれらの製品カテゴリの「モダンバージョン」を発明したと強調し、「AIについても同じように感じている」と述べている。

ソフトウェア担当上級副社長のクレイグ・フェデリギも会議に登壇し、Siriの大幅刷新について説明した。当初予定されていたSiriのAIアップグレードが延期された理由について、フェデリギは「ハイブリッドアーキテクチャを採用しようとしたが、このアプローチではAppleの品質基準を満たせないことが分かった」と説明している。

人材流出対策と新たな投資計画

今回の全社会議は、MetaのSuperlitelligence Labsへの人材流出が深刻化している状況を受けて開催されたとみられる。過去1カ月だけで、AppleのAI研究者4名がMetaに引き抜かれており、特にファウンデーションモデルチームのリーダーであるルオミン・パン氏は2億ドル以上の報酬パッケージでMetaに移籍している。

クックは会議で、過去1年間で12,000人を新規採用し、そのうち40%が研究開発部門であることを明かした。また、AI専用チップ「Baltra」の開発や、ヒューストンでのAIサーバー製造施設の設立計画についても言及している。

AppleはAI分野での競争力強化のため、M&Aにも積極的な姿勢を示している。前日の決算発表会見でクックは「大規模な買収にもオープンだ」と発言しており、AI検索スタートアップのPerplexityとの買収協議についても内部で議論されていることが明らかになっている。

この全社会議は、Appleが従来の小規模なタウンホール形式から大きく逸脱した異例の対応であり、AI戦略の立て直しと人材流出阻止に向けた危機感の表れとして注目されている。

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更新日2025年08月03日
執筆者g.O.R.i
コメント(1件)

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  1. 通りすがりの読者(コメントID:706116)

    クック船長がAppleの後発優位について触れるのは極めて異例に感じます。
    自分が知らないだけで、過去にもあったのかな。
    なんとなく、タブーのイメージがありました。

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