【レビュー】Angle10:10°の傾斜を追加する卓上型傾斜台
MacBook Air/Proの内蔵ディスプレイ・内蔵キーボードで作業している人向けの”健康商品”
MacBook Pro単体で長時間作業していると、無意識のうちに姿勢が前傾してしまい、肩や首への疲労がたまる。目線を上げるためにMacBook Proの裏に取り付けるスタンドや傾斜付きUSB-Cハブを導入することで多少は緩和されるが、タイピングのしやすさを考えると、上げられる高さには限界がある。
BORDERLESSの「Angle10」(読み方:アングル10)は、体の負担を劇的に軽減する作業環境をスタイリッシュに実現した卓上型傾斜台。机の上に置くことで、一般的傾斜付きスタンドとは比べ物にならないほど作業が快適になる。
メーカーよりレビュー用に先行してサンプルを提供してもらったので紹介する。
Angle10の特徴ーーなぜ10度の傾斜が重要なのか
僕らは集中していると、無意識のうちに前のめりになってしまう。エクセルにまとめられた大量の数値、ワードファイルに書かれた文字に夢中になっていると、気づくと首だけ画面に吸い込まれそうな体勢になってい経験はあるだろう。
BORDERLESSによると、頭が2.5cm前に出るごとに、首にかかる負荷は4kgずつ増加するという。首・背中・腰へのダメージは増加し、腰痛・肩こり・首の痛みのほか、めまいや頭痛、免疫力の低下など様々な症状を引き起こす原因になると言われている。また首の筋肉が緊張すると欠陥が圧迫され脳への酸素供給が減り、集中力や判断力の低下にも繋がる。
これらの課題を解決するために開発されたのが、Angle10だ。理想的な着座姿勢の角度である「後傾10度」に導く10度の角度が付いた傾斜台を導入することで、無理のない正しい姿勢に矯正できるそうだ。
Angle10は、薄さ3mmのアルミ板。サイズは、横幅が560mm、奥行きが452mm、高さは82mm。
デスクトップパソコンのキーボードを置いたまま、A4サイズの書類とタブレット型端末を同時に乗せることができる広さだ。またA3サイズの用紙がタテにもヨコにも置ける。テンキーのないキーボードであれば、横にマウスを置いても操作性に影響はない。
ブラックとシルバーの2色展開で、ブラックはMacBook Proのスペースグレイに比べて深みのある色だ。キーボード、ディスプレイ、マイクなど、ブラックカラーの周辺機器と相性が良い。
表面は粉体塗装を施したマットな仕上がり。ザラザラとしているため、同梱されているデスクマットを上に敷いた状態での使用が推奨されている。
デスクマットは、Angle10にジャストフィットするサイズだ。使い始めてからしばらくすると貼り付きがよくなる。ただし汗ばむ今の季節は、手首を乗せると貼り付いてしまうことがある。
下部にはストッパーが用意されている。ノートやペンなど、摩擦力の低いアイテムが転がり落ちることを防げる。
Angle10の下は空洞だ。下にメモ帳、ペン、ノートなどを入れておき、素早く取り出せる引き出しのように使うこともできる。
常に置き場所に困っているiPad Proは、定位置が見つかった。
使用感と効果を発揮しやすい利用シーン
Angle10が最も効果を発揮してくれる利用シーンは、MacBook Pro単体で作業をするとき。上のほうまでMacBook Proを置き作業することで、目線を理想的な位置まで上げることができる。
外部ディスプレイに接続した状態で使用する際にも、効果を発揮する。特にMagic Keyboardのような本体に傾斜がないキーボードを使用する場合、Angle10に載せた状態で使用したほうが手首への負担が少なかった。
普段使用しているキーボード「Keychron K3」は、少し状況が異なる。セットで使用するパームレストの摩擦力が弱く、パームレストがずれ落ちてしまう。キーボード本体にも緩やかな傾斜があるため、かえって手首への負担が増していないか心配だ。
Keychron K3をAngle10に載せて使用することに最初は抵抗があったが、今は傾斜があったほうが文字が打ちやすいと感じる。
意外と快適だったのは、手書きで文字を書くとき。傾斜があることで、普段よりも猫背になっていないことに気づいた。
Angle10 レビュー:健康を取り戻す傾斜台
Angle10は、MacBook Pro/Air単体で長時間作業している人が健康を取り戻すための傾斜台だ。価格が約2万円と非常に高価だが、長い目で見たときに前傾姿勢による健康被害のほうが大きい。外部ディスプレイを使用せず、内蔵ディスプレイに向かって内蔵キーボードで黙々と作業している人に、是非とも導入をおすすめしたい。