簡単すぎて罪悪感すら感じる。AIレタッチソフト「EVOTO」がCP+2024で話題に
連日大盛況だったEVOTO、その魅力について改めて伝えさせてもらいたい
カメラのコンシューマー向け展示会「CP+2024」に出展していた業務用途向けの高品質AIレタッチソフト「EVOTO（読み方：エボト）」にて、トークショーに出演させてもらった。僕自身も使い始めてまだ日が浅いが、逆に言えば日が浅くても機能をすぐに活用できるほど使いやすく、作業フローに取り入れやすい。
EVOTOブースは連日大盛況で、パンフレットが飛ぶように捌けていったと聞いている。すでにEVOTOの凄さは知れ渡ってしまっているかもしれないが、本記事では改めてEVOTOの魅力を紹介させてもらいたい。
「こんな簡単で良いはずがない」「もっと時間かけろって思われそう」
僕は人物のレタッチに苦手意識がある。モデルを理想の写りに導くべく機材やライティングの選択も難しいが、撮影した写真のレベルを一段上げるには丁寧なレタッチが必要だ。
人物レタッチには若干の苦手意識がある。理想と現実の線引きを見極めながら、違和感なく仕上げるには様々なレイヤーやマスクを使いこなし、ブラシで微調整を重ね、何十分も何時間もかけて仕上げるものだと思い込んでいた。
「良い写真は時間をかけるべき」という先入観を持っている人は、EVOTOを使えないだろう。あまりにも簡単だからだ。
クマ、ほうれい線、各所のしわなどの肌補正はそれぞれ独立したスライダーで調整できる。そばかすとニキビをそれぞれ見分けられ、二重顎も消せる。肌の質感や色味、血色も調整できる上に、表情、歯並びやホワイトニング、目のハイライトまで自由自在だ。
髪の毛の生え際を追加したり、レタッチ泣かせのほつれ毛除去もスライダー1つで秒速削除。全身写真を撮っている場合、頭部や体型の補正も可能だ。
ところで冒頭の写真、実はiPhone 15 Proの内向きカメラで撮影氏、EVOTOでレタッチしたものだ。あいにく僕の肌はこれほど綺麗ではない。綺麗にするべく努力しているが、この日には間に合わなかったためAIの力を存分に活用させてもらった。
下記が元の写真だ。肌が荒れてても嫌いにならないでほしい。ごめんね。
写真現像ソフトは専門的な用語が多く、一定の知識が無ければ理想の写真に仕上げることは難しい。しかしEVOTOはスライダーですべてが簡単に調整できてしまう。「こんな簡単で良いはずがない」「もっと時間かけろって思われそう」と思いながら使い始めたが、この手軽さを覚えてしまってからは、人物のレタッチでは欠かせない存在となってしまった。
AIの凄さは、レタッチそのものの手軽さだけではない。人物を最大50名まで認識し、それぞれに適用したレタッチ内容を取り込んだ写真すべてに一括適用できる。これは集合写真を撮るカメラマンなどが重宝しそうだ。
撮られた写真で修正を求める人は、「自分の顔や身体のこの部分が好みではない」という思いがある。複数枚撮影しても気になるポイントは同じ。それなら1枚をEVOTOのスライダーでレタッチを行い、それらをすべての写真に一括適用できれば作業時間は大幅に短縮できるだろう。
低スペックのマシーンでも動作する安心感
EVOTOの良いところは、低スペックのマシーンでも難なく動作すること。僕自身はM3 Max MacBook Proを使っていて説得力がないが、普段使用するAdobe PhotoshopのCamera RAWを使っている時と比べて電池の消費が抑えられている感覚がある。
特に同じAI関連機能を使う場合、GPUやNeural Engineを活用するAdobeに対し、EVOTOはCPUで処理を行う。ただしAIの処理はシンガポールにあるサーバーを介して行う仕組みになっているため、利用する際は必ずネット回線に接続している必要がある。
これは写真館など写真の撮影を業務で行い、コンピューターの買い換えを頻繁に行えない現場で歓迎されるだろう。またレタッチもスライダーで行える上に、気に入った仕上がりはプリセットとして保存できる。業務を引き継ぐ場合も、新人に教える場合も、教育コストが最小限に済むと考えられる。
書き出しの際に費用がかかる仕組み
一般的な写真編集ソフトは買い切りまたはサブスクリプション型だが、EVOTOはプリペイドチケット制を採用している。ソフトのダウンロードは無料。加工して試すだけであれば、無料かつ無制限。書き出す際に予め購入したチケットを1枚消費する仕組みだが、同じ写真であればレタッチをやり直し&書き出してもチケットの消費は最初の1枚のみだ。
自由に書き出しできない点にもどかしさを感じる人もいるだろうが、「必要な時だけ使う」ことで閑散期にサブスク料金が課金されるという状態から回避できるという点ではカメラマンに寄り添った料金体系とも言えるだろう。
EVOTOダウンロード時は、お試し用としてチケットが5枚ついてくる。チケットは1枚あたり7円〜10.5円換算で利用できる。
ソフトは無料、まずは触ってみるべし
EVOTOでレタッチ
AIと写真の共存は写真業界にとっては今熱いテーマだ。EVOTOはAIを活用することで人物レタッチを圧倒的に効率化してくれる。実際に撮影した写真を、より良くするために存在しているソフトだ。
「業務用途向けの高品質AIレタッチソフト」を謳っているが、個人でも十分に活用できる。またプロではなかったとしても、人物写真の仕上がりをレベルアップしたいという人にとっても是非活用してもらいたい。
