15インチ型MacBook Pro（2018）、「Blackmagic eGPU」を使うと動画の書き出しが遅くなるという調査結果

僕は「Blackmagic eGPU」を自宅で愛用している。動画編集をする機会はほとんど無いが、4Kディスプレイを2枚出力しているため、その負担をMac本体ではなくeGPUが負ってくれることで重宝している。

この「Blackmagic eGPU」によるパフォーマンスの違いをまとめた動画をAppleInsiderが公開し、動画編集において13インチモデルであれば大いに恩恵は受けるものの、15インチモデルであれば使わない方が結果的により良いパフォーマンスを発揮できる、と結論付けている。

とても興味深い内容だったので、紹介する！

ゲーミング性能比較：13インチモデルでは性能が大幅に向上

ゲーミングの性能を比較するベンチマークツール「Unigine Heaven Benchmark」を使用した測定結果によると、13インチ型MacBook Pro単体では10.4fpsしか出なかったところを、「Blackmagic eGPU」と組み合わせることによって34.2fpsまで伸ばすことができたとのこと。

15インチ型MacBook Proは単体で21.1fpsを記録し、eGPUと組み合わせることによって36.3fpsになっている。

これらのことから、MacBook Proでゲームを楽しみたいという人は、13インチ型MacBook Proのベースモデルを購入し、「Blackmagic eGPU」を購入した方が15インチモデル単体よりも高いパフォーマンスを発揮できると結論付けている。

なお、費用は15インチモデルよりも約3万円高くなる。62％の性能差のためにこの価格を払うかどうかが判断基準の1つになりそうだ。

動画編集比較：15インチモデルは単体で使ったほうが早い？

動画編集においては非常に興味深い調査結果が公開されていた。13インチモデルに関しては、単体で5分間の4K動画を出力するのに11分18秒掛かっていたところ、4分43秒まで短縮することに成功。

一方、15インチモデルは単体では3分29秒で終えていたのにも関わらず、eGPUを使った結果、4分6秒にまで遅くなってしまったという。これは、1分間の4.5Kの「Red RAW」形式の動画を書き出した際にも同じような結果が出ている。

4k動画の手ぶれ補正においては、13インチモデルは39秒から15秒まで短縮しているが、15インチモデルはタイムは変わらず13秒。
　
「Bruce X」を使用した5K動画のベンチマークテストでは引き続き13インチモデルのタイムが大幅に短縮されている一方で、15インチモデルはやはり単体で利用した方が書き出しに掛かる時間が短いという結果が出ている。

唯一、「Canon RAW」形式のファイルを扱う際には大幅に作業時間を短縮することに成功したと紹介されている。

「Blackmagic eGPU」は13インチモデルが恩恵を受ける

この結果から、「Blackmagic eGPU」は、dGPUを内蔵していない13インチモデルであればパフォーマンスが大幅に改善されるが、15インチモデルであれば、よほど高負荷なファイルを取り扱わない限り本体に内蔵されているグラフィックカードでも十分、ということになる。

なお、15インチモデルに関しては下位モデルが「Radeon Pro 555X」、上位モデルが「Radeon Pro 560X」というグラフィックカードを搭載している。その差額は1万円。

以前、AppleInsiderが公開した検証動画によると、グラフィック性能に関わるパフォーマンスは上位のグラフィックカードを選ぶだけで向上することが分かっている。

グラフィック性能を必要とするのであれば、15インチモデルの下位モデルを購入する場合でも、差額の1万円を払ってGPUを「Radeon Pro 555X」から「Radeon Pro 560X」にアップグレードしておいた方が良いかもしれない。

僕のように13インチモデルモデルを購入し、グラフィック性能を必要であると感じている場合は「Blackmagic eGPU」の購入を検討してみるべし！