15インチ型 MacBook Pro(2017) レビュー 外観と各種ベンチマークレポート
見た目の美しさはそのままに性能は向上、パフォーマンスは安定
2017年6月6日、MacBook Pro(2017)が正式に発表された。特徴はIntelの第7世代Coreプロセッサ「Kaby Lake」にアップグレードされたということ。発表から約8ヶ月でMacBook Pro(2016)は旧モデルとなってしまったのだ。
既に2016年モデルを持っている人はあえて買い替えるべきなのか、そしてMacBook Proの購入を検討している人は2017年モデルのパフォーマンスがどうなのか、気になっているだろう。場合によっては最新モデルを見送り整備済み商品に手を出した方が結果的に幸せになれるかもしれない。
僕は昨年フルスペックモデルを購入しているので買い替えていないが、「登山と写真で仕事をしている人。」が15インチ型MacBook Pro(2017)の上位モデルを購入。スペックは下記の通り:
- Touch BarとTouch ID
- 2.9GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.9GHz)
- 16GB 2,133MHz LPDDR3メモリ
- 1TB SSDストレージ
- Radeon Pro 560(4GBメモリ搭載)
- Thunderbolt 3ポート x 4
- バックライトキーボード – 日本語(JIS)
実際、MacBook Proの2017年モデルは2016年モデルと比較してどの程度進化したのか、外観および各種ベンチマークレポートを提供して頂いたので、購入を検討している人は参考にどうぞ!
MacBook Pro(2017)の変わらない美しい外観
まずは見た目から。昨年と全く変わらないが、それはつまり見ているだけで欲しくなる格好良さは健在、ということだ。
今回はパッケージから紹介しよう。なぜならパッケージの写真さえも物欲を掻き立てるからだ。同梱されているケーブルやアダプタなどは2016年モデルと変わらず。MacBook Proに限らず、Apple製品は開封する瞬間が最もテンションが上がる。
早速本体をチェックしよう。とは言ってみたものの、見た目は2016年モデルと全く同じ。2015年以前のモデルと比較して本体がコンパクトになり、ベゼルが薄くなった他、トラックパッドと左右のスピーカーグリルが巨大化した。
左右には「USB-C/Thunderbolt 3」ポートが2つずつ用意され、USB-AやSDカードスロットなどの従来搭載されていたポートはすべて廃止。見た目がスッキリとした反面、外部機器を接続する場合は「Satechi Type C Pro Hub」や「HyperDrive Thunderbolt 3 USB-C Hub」、「TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK TB1」などのUSB-Cハブが必要不可欠。
キーボードも2016年モデルと同様に第2世代バタフライ構造を採用。好き嫌いがハッキリを分かれる打ち心地と打音となっていて、個人的には嫌いではないが埃が一度入ってしまうと故障しやすいという情報をApp Storeで入手して以来、怖くてキーボードカバーを付けて使用中。僕の場合は「B」キーが反応しなくなり、3日間ほど預けた。
言うまでもないが、Appleロゴはもう点灯しない。残念。
今回数少ない外観で変わった点としてキーボードの印字が一部変更されている。JISキーボードとUSキーボードという違いはあるが、「shift」が記号に「alt/option」が上下に書かれていたのが「option」のみになり、上に記号が追加されている。他にも「caps」キー、「tab」キー、「delete」キー、「return」キーの文字表記が消され、記号で代用されている。
着実に進化しているパフォーマンスだが、独立GPUの性能は低下か
美しいMacBook Pro(2017)の外観に酔いしれたところで、本題である各種ベンチマークツールで測定した結果を紹介する!
2017年モデルと2016年モデルのスペック・仕様比較
大前提として、MacBook Pro(2017)のスペック・仕様がMacBook Pro(2016)からどの程度進化しているのかを知る必要がある。
詳しくはこちらの記事を参考にしてもらえればと思うが、スペック面ではCPUが「Kaby Lake」になり、GPUが「Intel HD Graphics 530」から「Intel HD Graphics 630」に、「Radeon Pro 450/455」から「Radeon Pro 555/560」に進化している。
2017年モデル | 2016年モデル | |||
---|---|---|---|---|
256GBモデル | 512GBモデル | 256GBモデル | 512GBモデル | |
Touch Bar | Touch IDセンサーが組み込まれたTouch Bar | |||
ディスプレイ | 15.4インチRetinaディスプレイ(2,880 x 1,800ピクセル、220 ppi) 500ニトの輝度 広色域(P3) |
|||
CPU | 2.8GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.8GHz)、6MB共有L3キャッシュ | 2.9GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.9GHz)、8MB共有L3キャッシュ | 2.6GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.5GHz)、6MB共有L3キャッシュ | 2.7GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、8MB共有L3キャッシュ |
RAM | 16GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ | |||
グラフィック | Intel HD Graphics 630 Radeon Pro 555(2GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) |
Intel HD Graphics 630 Radeon Pro 560(4GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) |
Intel HD Graphics 530 Radeon Pro 450(2GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) |
Intel HD Graphics 530 Radeon Pro 455(2GB GDDR5メモリとグラフィックス自動切替機能を搭載) |
電池持ち | 最大10時間 | |||
ポート | 4つのThunderbolt 3(USB-C)ポート 3.5mmヘッドフォンジャック |
|||
高さ | 1.55 cm | |||
幅 | 34.93 cm | |||
奥行き | 24.07 cm | |||
重量 | 1.83 kg | |||
価格(税別) | 258,800円 | 302,800円 | 238,800円 | 278,800円 |
今回は2017年モデルが2016年モデルからどの程度進化しているのかがポイント。よって、僕のMacBook Proを比較対象として紹介する。両モデルのスペック比較は下記の通り:
2017年モデル | 2016年モデル |
---|---|
Touch BarとTouch ID | Touch BarとTouch ID |
2.9GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.9GHz) | 2.9GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.8GHz) |
16GB 2,133MHz LPDDR3メモリ | 16GB 2,133MHz LPDDR3メモリ |
1TB SSDストレージ | 2TB SSDストレージ |
Radeon Pro 560(4GBメモリ搭載) | Radeon Pro 460(4GBメモリ搭載) |
Thunderbolt 3ポート x 4 | Thunderbolt 3ポート x 4 |
バックライトキーボード – 日本語(JIS) | バックライトキーボード – 英語(US) |
今回使用したベンチマークツールは「Geekbench 4」「Blackmagic Disk Speed Test」「Cinebench R15」の3種類。測定結果は固定差などもあると思われるため、あくまでも参考程度に見てもらえればと思う。
「Geekbench 4」の測定結果
GPUおよびGPU性能を測定することができる「Geekbench 4」で測定した各種ベンチマークレポートは下記の通り:
外部GPUはその後複数回テストしたものの、結果は変わらず。なぜ外部GPUの性能が落ちているのかは解明できずにいる。
「Blackmagic Disk Speed Test」の測定結果
続いて、SSDの性能を測定できる「Blackmagic Disk Speed Test」の結果。左が2017年モデル、右が2016年モデル。ほぼ同等であることが分かる。
「Cinebench R15」の測定結果
最後に、CPUとOpenGLの速度を測定する「Cinebench R15」の結果は下記の通り。こちらは飛躍的にスコアが伸びていることが確認できた。
2017年モデル | 2016年モデル | 変化率 | ||
---|---|---|---|---|
CPU | シングルコアスコア | 4322 | 4022 | 7%アップ |
マルチコアスコア | 15229 | 14021 | 8%アップ | |
OpenCL | 内蔵GPU | 21037 | 19291 | 7%アップ |
2017年モデル | 2016年モデル | 変化率 | |
---|---|---|---|
OpenGL | 81.48fps | 71.02fps | 14%アップ |
CPU | 732cb | 605cb | 20%アップ |
MacBook Pro(2017)は「買い」なのか
今回紹介したMacBook Pro(2017)は僕の購入したモデルではない。よって実際の使用感などについては紹介することはできないが、iFixitの分解レポートによると少なくとも13インチモデルは昨年から内部構造はほぼ変わっていないことから、15インチモデルも「15インチ型 MacBook Pro(2016) レビュー」で書いた内容から劇的な変化はないだろう。
本記事で確認したかったのは、2017年モデルが2016年モデルよりもパフォーマンスがどの程度改善されているか。その結果、8ヶ月前のモデルから堅実なステップアップをしたことが確認できた。
最新の最高スペックであること、パフォーマンスに一切の妥協を許さないという人は間違いなく2017年モデルを購入するべきだ。2016年モデルを買うよりどこかしらでスピードアップの恩恵を受けるはずだ。
不具合連発していた2016年モデルを見送った人は、2017年モデルは「買い」だろう。当時連発していた不具合がすべて解消されたかどうかは不明だが、万が一ハードウェアに問題があったのであればAppleはシレッと第2世代である2017年モデルで対応しているはずだ。
僕個人としては改めてこの結果を見て2016年モデルから買い替える必要がないと感じた。「MacBook Pro(2017)/2016」のスペック比較でも紹介した通り、現に「LG 5K UltraFine Display」という5K解像度の27インチディスプレイを2枚も出力しながら本体を並べたトリプルディスプレイ環境で使用しているが、パフォーマンスに全く不満がない。
購入当時は頻繁に遭遇していたGPUの乱れも見なくなり、定期的な再起動を実施するようになってからの動作は極めて安定するようになった。
よって、最新モデルにこだわらない人はMacの整備済み商品を狙うのも大いにアリ。映像の編集や写真の編集など本体に負荷の掛かる作業を頻繁に行う場合は最新モデルの最先端スペックを手に入れた方が良いかもしれないが、そこまででもないという人は安くなったMacBook Pro(2016)を買っても全く不満はないはず。
結論としては、MacBook Pro(2017)はマシーンとして「買い」だと言っても差し支えないと思うが、2017年モデルである必要があるかどうかはよく検討してみた方が良い。2016年モデルでも十分幸せになれるという人は整備済みの2016年モデルを買って浮いたお金でUSB-Cアクセサリやディスプレイなど各種周辺機器に充てるのも良いかもしれない。
最終的には「欲しい時が買い時」!下記レビュー記事を参考に併せてどうぞ!
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