Adobe Premiere Proが生成AIで進化。動画編集をよりスムーズに
Adobe Firefly Video Model搭載で、クリップの拡張やオーディオ編集がより簡単に
アドビは10月14日、Adobe MAXにて、Premiere ProにAdobe Fireflyの生成AIモデル「Adobe Firefly Video Model」(ベータ)を活用した動画編集ワークフローセットの提供開始を発表した。動画編集の未来を形作る、革新的なAI機能を搭載したPremiere Proは、映像制作のワークフローを大きく変える可能性を秘めている。
新機能「生成拡張」は、AIの力でクリップを拡張し、映像の空白を埋めたり、トランジションをスムーズにしたり、カットを長く保持して完璧なタイミングでの編集を可能にする。これにより、動画編集者は煩雑な作業から解放され、よりクリエイティブな作業に集中できるようになる。
Adobe Firefly Video Modelで何ができる?
Adobe Firefly Video Modelは、安全に商用利用できるように設計された初の生成AIビデオモデルだ。クリップの最初や最後にまったく新しいフレームを生成し、カットを自然に延長することができる。また、ダイアログクリップの端をクリックしてドラッグするだけで、アンビエントの「ルームトーン」の設定が表示され、オーディオ編集をスムーズに行える。
さらに、Adobe Fireflyを搭載した新しい「動画を生成」モジュールもベータ版として提供開始される。これにより、映像のプロフェッショナルは、クリエイティブな意図を素早く伝えたり、空白を埋めるBロールを作成したり、カットに新たな要素を追加することができるようになる。
Premiere Proのその他のアップデート
Premiere Proには、他にも多くのアップデートが加わっている。
- カラーマネジメント(ベータ):ほぼすべてのカメラのログ映像をHDRおよびSDRに自動的に変換する新しいカラーシステム。これにより、編集者は肌の色合い、鮮やかな色、ダイナミックレンジを簡単に調整し、美しい映像をすばやく作成できるようになる。
- コンテキストに対応する新しいプロパティパネル:必要性の高いツール群を一つの便利なパネルに表示することで、作業効率を向上させる。経験豊富なプロはマウス操作の負担を軽減し、新規ユーザーはより簡単に使い方を学ぶことができる。
- パフォーマンスの高速化:ProResの書き出し速度が最大3倍高速化する。ハードウェアアクセラレーションの向上によって、より高速な再生にも対応する。
- 対応カメラ機種の拡大:Canon、Sony、ARRI、REDのカメラ機種へのサポートを拡大し、ネイティブファイルを読み込んで編集作業を直ちに開始できる。
After Effects、Frame.ioのアップデート
Adobe After Effectsには、3Dモデルから埋め込まれた3Dアニメーションを操作する機能をサポートするツールを拡張した「強化された3Dワークスペース」、Adobe Substance 3D Painterからテクスチャ化された3Dモデルを直接After Effectsに転送できる「Adobe Substance 3Dとの統合」などのアップデートが加わっている。
Frame.ioには、コンテンツ制作のライフサイクル全体にわたるコラボレーションを簡素化する「全く新しいFrame.io」、アセットに定義済みまたはカスタムのフィールドでタグ付けできる「カスタムメタデータ」などのアップデートが加わっている。
業界での採用
Adobe Premiere Pro、Adobe After Effects、Adobe Substance 3D、Adobe Frame.ioは、『一流シェフのファミリーレストラン』、『サタデー・ナイト・ライブ』、『SHOGUN 将軍』など、多くのテレビ番組やドキュメンタリーに採用されている。