あれ、iPhone 13の画面内蔵Touch IDが復活する話ってどこいった？

雲行きが怪しくなってきた理由

画面内蔵Touch IDに関する情報が全く出てこない

画面内蔵Touch IDに関する情報は、今年3月頃で完全に途切れている。最後の情報から3カ月間、「iPhone 13」のTouch ID復活を示唆する情報が全くない。

Ming-Chi Kuo氏の最新レポートでは、2022年の新型iPhone（iPhone 14）に画面内蔵Touch IDの搭載を予測。「iPhone 13」シリーズへの搭載について言及していない。

米国ではワクチン接種完了者はマスク不要になった＝再度Face ID優位に

新型コロナウイルスのワクチン接種は進んでいる。米国内のApple Storeでは、ワクチン接種完了者はマスク不要で入店可能になった。歴史的シアター跡地を使った「Apple Tower Theatre」のグランドオープン当日に撮影された写真では、マスクをしていない人のほうが多い。

駆けつけたTim Cook氏やDeirdre O’Brien氏もマスクをしていない。

『iPhone 13「指紋認証」の復活、実現するなら今年であるべき理由』として、Face IDの優位性が失われたと同時にTouch IDの復活するべき理由が正当化できると解説した。ワクチンの接種は新型コロナウイルスを完全に防げるものではないが、マスク不要の生活に戻りつつある中で、新型コロナウイルスを理由にTouch IDの復活を急ぐ理由がなくなりつつある。

Apple Watchによるロック解除

iOS 14.5がインストールされたiPhoneとwatchOS 7.4がインストールされたApple Watchを組み合わせることで、マスクをしたままで画面のロック解除が可能になった。失敗することもあるが概ね動作は安定しており、マスク生活でもFace IDが苦にならなくなった。

App Store、Safariのパスワード自動入力、Apple Payでは利用できないが、ロック解除ができるだけでも使い勝手は向上した。ワクチンの普及率向上も追い風となり、Touch ID復活のニーズが徐々に低下しつつあると考えられる。

Appleなどを現地取材するITジャーナリストの松村太郎氏は、Apple Watchが売れるきっかけになるとして「Apple Watch経由でのロック解除機能がついたことで、iPhoneにFace IDとTouch IDが共存する可能性は低くなったんじゃないか」と指摘。実際に僕の周囲ではロック解除機能をきっかけにApple Watchを購入した知り合いが多数存在する。

Apple Watch経由でのロック解除機能がついたことで、iPhoneにFace IDとTouch IDが共存する可能性は低くなったんじゃないか、と思っている次第。だって、マスクでのロック解除の不便さを回避したいなら、Apple Watch売れますもんね。

— 松村太郎 (@taromatsumura) 2021年2月5日

iPhone 13に指紋認証復活はあるのか

「iPhone 13」シリーズのTouch IDは、Qulacommの超音波式センサーの採用が噂されている。画面全体ではなく画面上の一部に指を触れることでロック解除が可能になる仕組みだ。

ゴリミーの情報筋によると、Face IDがプライマリー、Touch IDがセカンダリーと位置づけられるという。あくまでもFace IDはメイン、Touch IDはサブになる前提で実装されていたそうだが、見送られることも考えられる。製品の仕様は、3月末時点で最終決定したとの情報がある。

「iPhone 13」シリーズの正式発表は、例年どおり9月になりそうだ。Touch IDの期待値は必要以上に上げず、残り3カ月間待とう。

iPhone 13の最新情報まとめ：発売日・価格・新機能・スペックなど

iPhone 13を待つべきかは、Touch ID次第だ