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Apple、2029年まで続くVision・スマートグラス戦略が判明か。7製品のロードマップをアナリストが公開

2025年M5版Vision Pro、2027年スマートグラス・Vision Air、2028年第2世代Vision Pro登場予定

Apple Vision Pro and Smart Glasses Plans for the future 01

Appleが2029年まで続くVision製品とスマートグラスの詳細なロードマップが明らかになった。Apple情報に詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏が最新レポートで、同社が開発中の7つのプロジェクトについて具体的なタイムラインを公開している。

Kuo氏の報告によると、Appleは3つの「Vision」デバイスと4つのスマートグラス製品を並行して開発しており、このうち5製品については開発スケジュールが確定済みだという。残る2製品についても開発が検討されている段階にある。同氏は、ヘッドマウントデバイスを次世代コンシューマーエレクトロニクスの主要トレンドとして位置づけており、特にスマートグラスが市場拡大の牽引役になると予測している。

2025年:Vision Pro M5版が登場

2025年には、M5チップを搭載したApple Vision Proがリリースされる予定だ。プロセッサーがM2からM5にアップグレードされるものの、その他の仕様に変更はなく、第2世代モデルとしては位置づけられない。量産開始は2025年第3四半期で、年間出荷台数は15万〜20万台を見込んでいる。

このモデルは市場での存在感を維持し、エコシステム開発を支援することが主な目的とされている。また、サプライチェーンにおける余剰部品の在庫調整とXRヘッドセットアプリケーションの探索という側面もあるようだ。

2026年:新製品リリースなし

注目すべきは、2026年には新しいVisionやスマートグラス製品のリリースが予定されていないことだ。Appleは2027年以降に複数の製品を集中的に投入する戦略を取っている。

2027年:スマートグラスとVision Airが同時展開

2027年は特に注目すべき年となりそうだ。Apple Smart GlassesApple Vision Airの2製品が相次いで登場する予定となっている。

Apple Smart GlassesはMeta Ray-Banに似た製品で、複数のフレームやテンプル素材オプションを提供し、パーソナライゼーションを重視した設計になる。ディスプレイは搭載されないものの、音声制御とジェスチャー認識機能を備える予定だ。主要機能として以下が挙げられている:

  • オーディオ再生機能
  • カメラ・動画撮影機能
  • AI搭載の環境認識機能

一部のユーザーにとっては、特定の状況でワイヤレスイヤホンやスマートフォンカメラの代替品として機能することが期待されている。量産開始は2027年第2四半期で、初年度の出荷台数は300万台以上を予測している。Kuo氏は、Appleの参入により2027年にはこのカテゴリの全体市場が1000万台を超えると予測しており、重要な新興トレンドになると分析している。

一方のApple Vision Airは、Vision Proと比較して40%以上の軽量化を実現する全く新しいデザインが特徴だ。軽量化はガラスをプラスチックに置き換え、マグネシウム合金を大幅に使用し(チタン合金は高価すぎるため採用見送り)、センサー数を削減することで達成される。プロセッサーはMシリーズではなく、当時の最新iPhone用フラッグシップチップを搭載し、価格もVision Proより大幅に安くなる見込みだ。

2028年以降:本格的な第2世代と新技術の導入

2028年には真の第2世代Apple Vision Proが登場する。完全に新しいデザインで大幅な軽量化を実現し、Mac級の強力なプロセッサーを搭載しながら、より手頃な価格設定になる予定だ。量産開始は2028年後半を予定している。

同年にはより高度なApple XRグラスも発売される。初代スマートグラスの音声制御とジェスチャー認識機能に加え、カラー対応のLiquid Crystal on Silicon(LCoS)ディスプレイとウェーブガイド光学系を搭載する。この製品の成功にはAI機能が重要な役割を果たすとされている。量産開始は2028年後半で、さらに別バリエーションも開発中だが、こちらは生産タイムラインがより遅く、詳細も限定的だ。

興味深いことに、Kuo氏は他ブランドがディスプレイ搭載スマートグラスをAppleより先に市場投入し、早期の市場存在感を確立する可能性が高いと予測している。ただし、技術的・デザイン的改良が継続的に必要なため、今後2年間はニッチな製品にとどまる可能性が高いという。

開発が一時停止されたプロジェクトも

注目すべきは、2026年第2四半期に量産開始予定だったディスプレイアクセサリーの開発が2024年第4四半期に一時停止されたことだ。この製品はiPhoneなどのAppleデバイスからのコンテンツを表示する有線接続デバイスで、Birdbath光学系とエレクトロクロミック調光技術を追加の主要セールスポイントとして採用予定だった。

開発停止の理由は、既存製品に対する競争優位性の不足だった。Appleの製品は120〜130グラムの重量だったのに対し、競合製品は100グラム未満を実現していたという。現在Appleは製品の再定義と仕様の見直しを行っており、プロジェクト再開の可能性も残されている。

Appleの競争優位性と課題

Kuo氏は、Appleが堅実なハードウェア開発能力と独自のエコシステム統合により、Visionとスマートグラス分野で大きな競争優位性を持っていると評価している。一方で、AI搭載オペレーティングシステムとソフトウェア開発が主要な課題として残っているとも指摘している。

特にスマートグラス分野では、Appleの参入により市場全体が大幅に拡大し、2027年には新たな成長トレンドが確立される可能性が高いとの見通しを示している。

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執筆者g.O.R.i
コメント(1件)

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  1. 通りすがりの読者(コメントID:705991)

    スマートグラスは以前から楽しみにしていたので何か動きがあるかもと思うとワクワクしますね☺️

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