Apple、EUでのiOS 26新機能提供を遅延へ。日本でも同じことが起こる可能性が高い理由
iOS 26の「訪問した場所」機能も対象、スマホ新法で日本のユーザーも最新機能を失う恐れ
Appleが欧州連合(EU)の規制により、一部の新機能の提供を遅らせることが明らかになった。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
同社の法務担当副社長であるKyle Andeer氏は、ブリュッセルで開催されたEU当局者と開発者向けのワークショップで「今月発表した製品や機能について、EU顧客向けのリリースを遅らせる決定を既に下している」と述べた。競合他社にエコシステムを開放することが義務付けられれば、ユーザーのセキュリティが危険にさらされる可能性があると付け加えた。
iOS 26でEU向け機能制限が実施
今年後半にリリース予定のiOS 26では、マップアプリの「訪問した場所」機能がEUでは利用できなくなる。Appleは、EUで利用できない可能性がある機能を引き続き検討中であり、可能な限り迅速に提供するためのソリューションを模索していると説明している。
同社は、いわゆる「ゲートキーパー」と呼ばれるテクノロジー企業の市場支配力を抑制し、プラットフォームの開放を目的としたEUのデジタル市場法(DMA)に準拠する必要がある。実際、AppleはWWDC 2025でもAppleがEUでiPhoneミラーリング提供を見送る理由を説明しており、今回報じられた内容も、DMAの実装によってAppleが最も大切にしているユーザーのセキュリティとプライバシーを脅かす可能性があるとして、実装の見送りが決定したと説明している。
Appleが主張するセキュリティリスク
AppleはDMAの実装に強く反対しており、製品の品質を低下させ、ユーザーをセキュリティとプライバシーのリスクにさらし、EUでのアップデート展開をより複雑にすると主張している。
Andeer氏は、規則に準拠するためにAppleが行わなければならない変更が「ユーザーに真のプライバシー、セキュリティ、安全性のリスクをもたらす」と述べた。会議に出席したEU当局者は、規制当局とAppleの間でDMAの適用範囲と潜在的なセキュリティリスクについて見解が分かれていることを認めたという。
日本でも同様の事態が起こる恐れ
この流れは日本でも同様の事態が起こる可能性が十分にある。「「ぜんぶスマホ新法のせいだ。日本のiPhoneユーザー、最新機能を失う恐れ」」で紹介したとおり、スマホ新法(正式名称:スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律)によって、今後、最新機能が一部提供されない可能性は高い。
日本のユーザーは誰も求めていない法律が勝手に施行され、最新機能を奪われる恐れがある。その結果得するのは小規模開発者の競争ではなく、広告ビジネスを展開しているがゆえにAppleが守っている個人情報に喉から手が出るほど欲しい悪魔の顔をした巨大IT企業だ。
誰だ、スマホ新法が「競争環境」の維持のための法律だと勘違いしていたの……。
小規模開発者の競争なんて関係ない。結局、広告ビジネス展開している巨大IT企業が、iPhoneユーザーの個人情報へのアクセス権を要求しているだけじゃないか。 https://t.co/ZNr90X4DpF
— 松村太郎 📖 #Appleフレームワーク本 (@taromatsumura) June 19, 2025
ユーザーにとって百害あって一利なしの法律によって、日本でもEUと同じような状況になる恐れがあることを、改めて把握してもらいたい。この決定により、EU市場でのApple製品の競争力に影響が生じる可能性がある一方で、同社はユーザーの安全性とプライバシー保護を最優先事項として位置づけている姿勢を改めて示した形となった。
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