MacBook Pro(2016)のRAMは”プロ”でも32GBは必要ない理由
新型MacBook Proに32GBのメモリ(RAM)が搭載できずにピーチクパーチク言っている人が多い。僕もその1人だ。電池持ちも大事だが、メモリは多いことに越したことはない。
……と言ってみたものの、本当にRAMは32GBも必要なのだろうか。16GBでは不十分なのだろうか。
僕自身は必要ないだろう。現状、16GBのRAMで困っていることはない。ハードコアな映像制作も画像編集もしない。新モデルでも16GBで十分やりくりできるだろう。
8GBと16GBで迷っている人は下記記事が参考になるはず。
では、”プロ”と呼ばれる人たちはどうなのだろうか。究極のモバイルマシーンとしてMacBook Proを心待ちにしていたトップクリエイター達にとって、RAMが16GBというスペックはさすがに厳しいのではないだろうか。
ZDNetにMacBook Pro(2016)は、仮に”プロ”でもRAMは32GBも搭載している必要はなく、16GBもあれば十分である理由を解説していたので、その内容を紹介する!
超高速SSD搭載によって16GBのRAMで動作は快適に?
かつてはCPUの性能を十分に活用することができず、RAMは予算の許す限り積めるだけ積んだ方が良いという時代があった。
ただ、時代は2016年だ。技術は着実に進化し、最新型のMacBook ProはRAMに依存しなくても良くなっている。理由は2つある。
1つは「圧縮メモリ(Compressed Memory)」が用意されていること。これは「OS X Mavericks」から採用されている機能となっていて、システムのメモリ使用量が上昇し始めると、「Compressed Memory」は使われていないデータを自動的に圧縮し、それらのデータが必要になると即時に圧縮状態から元に戻すことができるというもの。限られたRAMを効率よく使用することができる。
もう1つはSSDのパフォーマンスが劇的に向上していること。書き込み速度は2GB/s以上、読み込み速度は3GB/s以上を記録していることがTouch Bar搭載モデルから明らかになっている。macOSは昔から仮想メモリを積極的に活用することで知られているOSとなっていて、SSDの読み込みが速ければ速いほど物理RAMに書き込む速度と変わらない速度でアクセスすることができる。
ところで、「仮想メモリの使用はなんとなく避けた方が良い」というイメージを持っている人はいないだろうか。僕自身もそうだったのだが、その理由はかつてHDDが主流だった時代、書き込み速度がメモリと比較して圧倒的に遅かったため、処理速度が落ちてしまうから。つまり、新型MacBook Proは超高速SSD搭載によってその問題を見事解消しているのだ。
スワップ領域を活用すれば16GBのRAMで十分
それでもやはり16GBは不十分だと感じる人もいるはず。そこで、セキュリティ研究者Jonathan Zdziarskiさんがプロが現場使用しそうなアプリケーションを大量に同時起動させた実験を行っていたので、その結果を紹介しておく。
下記スクリーンショットは「VMWare Fusion」で3つのバーチャルOSを動作させながら「Adobe Photoshop」で各1GB以上のマルチレイヤーファイルを4つ開き、Safariでタブを11個、Wordファイルを15種類、XcodeでObjective-Cのプロジェクトを5個など、合計で凄まじいアプリを立ち上げた時の様子。確かにプロが日常的に向き合っていそうな高負荷なアプリケーションが多数起動されている。
物理メモリは13.71GB使用し、仮想メモリは2.81GBとなっているが、16GBのメモリを使い切ることはなかった。
鋭い人は既に気づいているかもしれないが、起動したアプリケーションの中にChromeとSlackが入っていない。その理由としてZdziarskiさんは「メモリが管理ができていない」と解説し、「メモリ管理ができないアプリを起動して、メモリが不十分であることをAppleに責任を押し付けるのはお門違いだ」と指摘。
さらに「32GB搭載されていたところでメモリ不足になることには変わりない」と続く。その理由は「あればあるだけのメモリを食いつぶすから」。確かに僕もChromeにThe Great Suspenderを入れるまではなぜか物理メモリが圧迫されていたような記憶がある。
「でも動画編集のような高負荷を行う場合はやっぱりRAMは多ければ多い方が良いのでは」という指摘もあるはず。ところが、これもMax Yuryevさんが解説した動画によるとRAMは多ければ多い方が良いという訳ではないことが明らかになっている。
これらの情報から、MacBook Pro(2016)のRAMはプロでも16GBでも十分だとZDNetは結論付けている。
それでも32GBのメモリが無いと絶対にダメだという人もいるはず。Chromeが無いと生きていけない、Slackが無いとクライアントと連絡が取れないという人もいるだろう。
そのような人は、いくら文句を垂れ流しても今から新型MacBook ProのRAMが16GBまで増えることはないので、今年は見送り、来年以降買い換えましょう!きっといつかはAppleの求める条件が満たされ、32GBオプションが用意されるのではないだろうか。
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この3年後にはMacBook Proには32GBを通り越して64GBまで積めるようになってしまったという…
(Mac Proに至ってはRAMで1.5TBというワケワカメな状態w)
技術の進歩は凄まじいですね。