Apple、3年間無視していたペアレンタルコントロールのバグを修正へ
セキュリティ研究者に再三警告されていたのにも関わらず、WSJに指摘されてようやく重い腰を上げた

Appleは、特定の文字列をSafariのアドレスバーに入力することで、ペアレンタルコントロールによる閲覧制限を突破できてしまうバグを修正すると発表した。iOS/iPadOS 15、16、17およびmacOS Sonomaで再現が確認できた不具合だ。
The Wall Street Journalによると、セキュリティ研究者は2021年3月から再三Appleに警告していたが、セキュリティ上問題ないと返答され、Feedbackツールを通じてレポートを送るように依頼されたという。
Appleは3年間反応せず、WSJが取材を申し込んだ際に初めて回答。「ウェブコンテンツの制限を回避することを可能にする、開発者向けの基礎的なウェブ技術プロトコルの問題は把握している」とし次のソフトウェアアップデートで修正すると明らかにした。またバグレポートの受け取りやエスカレーションするプロセスを見直すと表明した。
Appleがペアレンタルコントロールやスクリーンタイムに対する消極的な姿勢が垣間見える事件の裏には、競争力の不在が指摘されている。2019年にiOS 12でスクリーンタイムを発表したと同時に、サードパーティ製のペアレンタルコントロールアプリを徹底的に排除。その後アプリ開発者が団結しAPIの解放を勝ち取ったものの、スクリーンタイムと競合しづらい制限が多くあり、実質的にAppleの独壇場となっている。
直近のAppleは、M2 iPad Airを発売当初10コアとして表記したGPUコア数を「最初から9コアだった」と意味不明な言い訳をしたり、フロントカメラの絞り値を誤って掲載したり、トラブル続きだ。今回もセキュリティ研究者による警告を無視し、メディアが接触して初めて対応する姿勢は、企業としての傲慢さが垣間見える。
メディアにもユーザーにも媚びないことはある意味”Appleらしさ”とも見方もあるが、当時と今は時代が異なる。Appleは対外的な姿勢を改め、逆境であろうAI時代においてメディアもユーザーも仲間につける姿勢を見せてもらいたい。
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