EUにおけるApp Storeのサイドローディング解禁は「数週間以内」
App Storeは「EU」と「EU以外」で2種類存在することに
Appleは数週間以内に、EUにおけるApp Storeのサイドローディングを解禁する可能性がある。サイドローディングとは、App Store以外のアプリストアを使ってアプリをダウンロード可能にする仕組みだ。
EUは2022年11月、Appleを狙い撃ちした”ゲートキーパー企業”に対し、サービスやプラットフォームを他企業やデベロッパーへの解放を強制する新しい法律「デジタル市場法 (DMA)」を施行。実質的にAppleを狙い撃ちした法律と見られており、2024年3月6日までの対応が求められている。
Appleに詳しいBloombergの名物記者Mark Gurman氏の最新ニュースレターによると、EUの影響でApp StoreはEU用とEU以外用とで分断されるという。しかし日本でも同様の動きが報じられており、米国でも動きが見られることから、遅かれ早かれ全世界でサイドローディングが解禁される可能性がある。
iOS 17.2でサイドローディングを示唆する機能が実装済み
iOS 17.2では、App Store以外のアプリストアからアプリをダウンロード可能にする機能を実装していると伝えられていたが、現時点ではモバイルデバイス管理機能(MDM)用の新機能として実装されている。デベロッパーが用意した独自のアプリストアからアプリをダウンロード、インストール、アップデートする仕組みが用意されており、App Storeと同様に特定のデバイスやiOSバージョンとの互換性をチェックする機能も備わっている。
サイドローディングを許可するメリットは、インストールできるアプリの種類が広がること。アプリ開発者は、Appleに15〜30%の手数料を取られずに済む。
一方で、大きなリスクが伴う。ITジャーナリストの林信行氏はサイドローディングのリスクとして、「マルウェア感染リスクの増加」「代替ストアのセキュリティ審査の質」「セキュリティアップデートの対応複雑化」「プライバシー基準の低下」を挙げている。