Studio Displayは買わない。購入を見送った理由
M1 Proチップと搭載した14インチMacBook Pro(2021)の作業環境と”相性”が合わない問題
Appleの新しいStudio Displayは格好良い。最近まで販売されていた、”純正品風”を装っていたLG 5K UltraFine Displayに比べれば、”Appleらしさ”を遥かに感じる。
仕様も”Appleらしさ”全開だ。最大600ニトの輝度、広色域(P3)、True Toneのサポートは想定の範囲内だが、前代未聞となるA13 Bionicチップを内蔵。1,200万画素の超広角カメラはセンターフレームに対応し、6スピーカーシステムやマイクを内蔵。Hey Siriが利用できる。
優れた製品であることには間違いないが、購入は見送った。14インチMacBook Pro(2021)をメインマシーンとしている僕の作業環境と”相性”が悪いからだ。
メインモニターとしての27インチは狭すぎる
現在の作業環境は14インチMacBook Pro(2021)を母艦として、メインモニターに5K2Kディスプレイ、その上に4Kモニターを配置したスタックモニター構成だ。右側にMacBook Pro、左側に12.9インチiPad Proを置いている。
僕がメインマシーンとして使用しているMacBook Proは、M1 Proチップを搭載している。出力できる外部ディスプレイは2台まで(最大6K解像度@60Hz)。Studio Displayを導入するのであれば、同様の配置をすることになる。現実的に考えて、5K2Kディスプレイを置き換えることになるだろう。
ディスプレイ解像度はStudio Displayのほうが高いが、5K2Kディスプレイは4Kディスプレイを横に拡張したのと同様の仕様を持つ。デュアルディスプレイ環境には満たないが、1.5枚相当の作業領域が確保できる。
高画質かつ高性能なカメラや高音質であろうスピーカー内蔵には惹かれるが、作業領域を犠牲にしてまで必要としている要素ではない。
”ハの字”配置でデュアルディスプレイ、カメラの位置が不自然
スタックモニターではなく、従来どおりのデュアルディスプレイ環境も検討の余地がある。過去の経験から、同一サイズの外部ディスプレイを2枚使うのであれば、ハの字型の配置が使いやすい。
しかしハの字型配置だと、内蔵カメラの位置が不自然になる。可能であれば、視線とカメラの位置は合ってほしい。
スピーカーの懸念もある。2枚のStudio Displayを組み合わせても、内蔵スピーカーを両方同時に使用できないはずだ。偏った音の出力には違和感を覚えるだろう。
3枚のStudio Displayを導入すれば、これらの問題は解決する。残念ながらM1 ProチップのMacBook Proでは仕様上不可能だ。M1 Maxモデルを持っていたとしても、現在のデスクでは3台は厳しい。
余談だが、Appleの発表イベントで披露された以下のStudio Displayの使用例では、デュアルディスプレイ配置をしておきながら座る位置は左のディスプレイの前の前、右側のディスプレイは一切傾けずに配置している。
これは典型的な「実用性ゼロ、見せる用セットアップ」だ。この座り方で、右側のディスプレイを一体どのように見るつもりなんだ。映像の中では、右のディスプレイには一切視線をおくらず、飾りだった。別にいいんだけどね。
A13 Bionicチップ搭載が吉と出るか凶と出るか
Studio DisplayはA13 Bionicチップを内蔵している。この仕組みが吉と出るか凶と出るか、正直不安な部分がある。
A13 Bionicチップは、センターフレームなど主に内蔵カメラで使用される。独自のiOSをベースとしたファームウェアが動作するため、Studio Displayをアップデートできる。
同時に接続元のMacに関係ないところで、ディスプレイに不具合が発生するリスクを背負う。Macが正常に動作していても、ディスプレイに問題が発生すれば使用できない恐れがある。
I guess that’s what happens when you put an A13 chip in a display lol pic.twitter.com/UqC8jzqgh5
— Filipe Espósito (@filipeesposito) 2022年3月8日
Oh now that I'm no longer under embargo, enjoy this message I got last week! pic.twitter.com/M19z0xEUBG
— Jason Snell (@jsnell) 2022年3月17日
最新のMacに最適化できる強みがある一方で、正常に動作しないリスクを増やす仕組みでもあることに、不安が拭いきれない。
同じ価格で購入できる魅力的なディスプレイがある
Studio Displayは、199,800円から286,800円までの価格レンジで購入できる。スタンドオプション別の価格は以下のとおり。
- 傾きを調整できるスタンド(標準)
- 標準ガラス:199,800円
- Nano-textureガラス:242,800円
- 傾きと高さを調整できるスタンド
- 標準ガラス:243,800円
- Nano-textureガラス:286,800円
- VESAマウントアダプタ
- 標準ガラス:199,800円
- Nano-textureガラス:242,800円
Studio Displayが「高すぎる」と言うつもりはない。大前提として5Kディスプレイは流通しておらず、独自のチップで描画処理が可能なカメラ、優れたスピーカーやマイクなどを内蔵し、接続元のデバイスに最大96Wの出力が可能であることを踏まえると、20万円前後は「安い」との見方もできる。
一方で「20万円出すならもっと良いディスプレイがある」「もっと安くて十分満足できるディスプレイがある」と感じる人もいるだろう。Studio DisplayはミニLEDバックライト非搭載、HDRとProMotionは非対応だ。MacBook Pro(2021)の内蔵ディスプレイに匹敵する仕様とは言い難い。
以下に代替案として検討してもらいたい、おすすめのディスプレイを3つ紹介する。ピクセル密度はStudio Displayの218ppiには満たないが、139〜163ppiの製品をピックアップした。
HUAWEI MateView
HUAWEI MateViewは、一般的なディスプレイの16:9ではなく3:2のアスペクト比を持つ、やや縦に長い4Kディスプレイ。98% DCI-P3色域をカバー。VESAマウントは利用できないが、極薄ベゼルと美しいスタンドは、Studio Displayに引けを取らないデザインだ。
LG 34WK95U-W
僕が現在メインで使用している5K2Kディスプレイ。4Kを横に伸ばした解像度で、1枚で1.5枚相当の作業領域を確保できる。Nano IPSパネルを採用し、DCI-P3の色域98%、sRGB135%をカバーし、ピーク輝度は600cd/㎡。Thunderboltケーブルで接続でき、接続元デバイスを最大85Wで充電できる。
Dell U4021QW
Dell U4021QWはStudio Displayに匹敵する値段だが、物理的に大きい。39.7インチ型の5K2K曲面ディスプレイで、DCI-P3の色域98%、sRGB100%、Rec.709 100%をカバー。同じ予算で広大な作業領域を確保したい場合は、Studio Displayよりも遥かに魅力的だろう。
浪人生だけど「人それぞれに合った配置がある」と言っておきながら人のブログに文句つけるってやべーな
こんな大人になりたくねぇ()
まぁでも私が使った限りではモデリング(Max)とかプログラミング(vs)とかメイン一枚、サブ調べ物用って構成になってましたね。。。。
motionとかもよく使いますけど、そもそも2枚を同等に見るクリエイティブ系ソフトが少ないのでは。。。(確かにトラックでいじる物は多いので横長はメリット大だと思うんですが。。。)
というか2台買うとどっちかのカメラは完全に置き物じゃないか。。。
写真で使われているのはキークロンのQ1でしょうか?興味あるのでよかったら使い心地などいつか教えて頂けたらうれしいです♡
> これは典型的な「実用性ゼロ、見せる用セットアップ」だ。この座り方で、右側のディスプレイを一体どのように見るつもりなんだ。
3面の左ひとつをとりのぞいただけでは??
個人的にマルチディスプレイに興味がないけど、自分がやるとしたらメインとサブって感じになるし、そんな変に感じられないなあ
自分のブログで自分の意見を述べて何が悪いの?
自分の作業環境と相性が悪そうだから見送ったというプロセスがちゃんと説明されているし、ハの字配置にしても自分の作業環境に取り入れる想定で自分の経験則を交えて検討している旨記載があるが。
一つ言えるのは、単に気に入らないから攻撃というのは良くないね。
別に個人差あるんだからどうでもいい。嫌なら使わなければいいだけで、こんなにたらたらと書かなくてもいいんじゃないの?
ちなみにデュアルディスプレイ=ハの字という固定概念もやめてほしい。私はメインを正面正対、サブを少し角度をつけて左側に配している。基本メインを見て、必要に応じてサブを見るスタイルなので、私はこのほうが見やすい。これも個人差がある。なんでも決めつけないようにね。
スリープ中にMacでHey Siriコマンドを必要とするシーンが全く思いつかないのですよね………
チップの目的は、センターフレーム・空間オーディオ・Siriみたいなので、スリープ中もディスプレイ側でHey Siriコマンドについては聞いてくれるみたいですよ。
まさにおっしゃる通りです(T ^ T)
今持ってるWQHDのウルトラワイドから5K2Kへの移行を考えてたんですが、40インチはさすがにデスクスペースとりすぎかと思って、記事でも紹介されてる34インチの5K2Kが高DPIでもあって本命でした。
しかしどうやら販売中止になっているようで、もう元の16万円台とかでは手に入らなさそうなんですよね…。
すべてに同意www背面のVESAマウントのダサさも圧倒的に同意wあれ記事化しようかなw
本当に5K2Kに慣れると27インチは足りないですが、やっぱりディスプレイとしての品質を考えるとApple純正は魅力的なんですよねえ。ウルトラワイド、出してくれたいいのになぁ、やっぱりまだまだ需要がニッチなんですかねぇ。
せっかくチップ積んだのだから、スリープ時はHomePodのような機能があってもよかったのかなーと。
私もgoriさんの記事を見てLGの横長モニターを購入しましたが、今はもう5K2Kでないと気持ち良くなれない体になってしまったので購入はないですね。
ただ、Appleならではの丁寧なカラー調整や液晶の反射具合、モニター側にボタン等がなく、調整はmacOS側で可能な点や、背面の不要なもっこりがない気持ちのいいデザインなどは羨ましく感じますね。
発表されたのが5K2Kだったら、例え5万円程度高くなっていても即買っていたかもしれません…
でもVESAマウントのダサさを見て再度目を覚ますかもw
確かに、ゴリさんの言う通りディスプレイの品質以前に単体の大きさは大切ですよねぇ。
私はDELLの32インチを使ってますが、自然な視野角で見たときに見やすい大きさですね。
studio displayは久々のアップルディスプレイで思わず2枚注文してデュアルにしようとしましたが、なにか無理があるような気がしていたので、このゴリさんの記事を読んで腑に落ちました。
まあ、どうせ買うならASUSあたりのmini LEDの32インチの方が満足度は高そうだと考えなおしました。
物理的な広さ、正解です!いやぁ5K2Kの広さが絶妙で、27インチメインには戻れないですよ……。
カメラの配置は現状もそんな感じなのでそこまで困らないですが、スピーカーは僕の中では結構大きいですね。内蔵スピーカーでそこそこ満足できれば、今使っているBoseのスピーカーを引退させてもいいなーぐらいには思っていたので、それができないのはディスプレイを買う意義が少し失われるんですよねえ。
あとA13 Bionicのリスクは、伝わってないかもしれないですが、結構心配ですねw ただでさえMacは周辺機器との相性問題で度々トラブルが発生するのに、ディスプレイにチップを内蔵することで故障リスク高まるのは正直いただけないですね。そもそも僕センターフレームを必要としてないので……
ゴリさん買うかな?と考えたとき、単純に物理的な広さがネックと思いました。他にも良いものがあるというのは確かにそうですが、他の理由は結構後付けなんじゃないですか?
Studio Displayのために貯金しようかと思ってたんですが、この記事で気付かされました!個人的にはHDRに対応していないのが痛いです…
僕が求めてるのは27インチ、16:9、4K HDR、”光沢画面”なんですがありますかね…?LGとかどれもアンチグレアばっかで…