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Apple、人間の目に匹敵する”20ストップ”ダイナミックレンジのイメージセンサー特許を出願

プロ用シネマカメラを上回る性能を目指すLOFIC技術、将来のiPhoneカメラに革命をもたらす可能性

Ash saribekyan 7VjXJa6I9js unsplash

Appleが、人間の目に匹敵するダイナミックレンジを実現する革新的なイメージセンサー技術の特許を出願していることが明らかになった。この技術が実用化されれば、将来のiPhoneやAppleデバイスで撮影される写真や動画の品質が飛躍的に向上する可能性がある。

この特許は「Image Sensor With Stacked Pixels Having High Dynamic Range And Low Noise(高ダイナミックレンジと低ノイズを持つ積層ピクセルを備えたイメージセンサー)」と題されており、最大20ストップのダイナミックレンジを実現する先進的なセンサー構造について詳述している。

人間の目のダイナミックレンジは瞳孔の調整や光の処理方法によって20〜30ストップと推定されている。現在のスマートフォンカメラが10〜13ストップであることを考えると、この技術は大幅な性能向上をもたらすことになる。

プロ用シネマカメラを上回る性能を目指す

Appleが提案するセンサーが潜在能力を発揮すれば、現行のiPhoneを大幅に上回るだけでなく、ARRI ALEXA 35などの多くのプロ用シネマカメラをも凌駕する性能を実現する可能性がある。特許では、光を捉える部分を含むセンサーダイと、ノイズ低減や露出制御などの処理を担当するロジックダイの2層で構成される積層センサー設計が概説されている。

現在AppleはiPhoneシリーズ全体でソニー製センサーを採用しており、これらのセンサーも2層設計を採用している。しかし、Appleの新しい設計にはいくつかの独自機能が含まれ、より少ないスペースで動作するとされている。

革新的なLOFIC技術でダイナミックレンジを大幅拡張

このセンサー設計で最も重要な要素の1つが、Lateral Overflow Integration Capacitor(LOFIC)と呼ばれるシステムだ。この技術により、センサーの各ピクセルがシーンの明るさに応じて異なる量の光を同一画像内で保存できるようになる。これにより、明るい窓の前に立つ人物のような極端な照明差がある場面でも、影部やハイライト部の詳細を失うことなく撮影が可能になる。

設計のもう1つの重要な側面は、画像ノイズやグレインの低減に焦点を当てている点だ。各ピクセルには独自の内蔵メモリ回路が搭載され、熱関連の電子ノイズをリアルタイムで測定・除去する。この処理は画像が保存されたりソフトウェアで編集される前に、チップ上で直接実行される。

特許出願が示すAppleの将来戦略

特許出願はAppleの即座の計画を示す証拠とはならないものの、同社が積極的に研究・関心を寄せている分野や、将来のデバイス向けに開発を検討している技術を示している。この革新的なイメージセンサー技術が実用化されれば、スマートフォンカメラの性能に新たな基準を設定することになるだろう。

人間の視覚に近いダイナミックレンジを実現するこの技術は、特に写真や動画撮影において逆光や暗所での表現力を大幅に向上させる可能性を秘めている。Appleがこの分野での技術開発を継続していることは、将来のiPhoneカメラ性能への期待を高める材料となっている。

(Source: Y.M.Cinema Magazine via MacRumors

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更新日2025年07月03日
執筆者g.O.R.i
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