「WWDC 2019」、最新ソフトウェアによるApple WatchとiPadの進化やiTunesの終焉が注目
Apple Watchが単体で利用できる機能や、iPadのハードウェアを活かす機能も期待できそう
「WWDC 2019」の基調講演は日本時間6月4日午前2時からスタートし、もちろんライブストリーミングも実施される。
iOS 13や「macOS 10.15」を始めとした次期OSに関する発表とプレビューが行われると予想されるが、BloombergのMark Gurman氏がイベントを前に当日披露されるであろう注目するべき内容を紹介している。
ハードウェアが発表されるとしたら新型「Mac Pro」
WWDCここ数年間、ハードウェアが披露されることは非常に稀だが、今年は以前から開発に着手していることを明らかにしているモジュラー式の「Mac Pro」の発表を検討していると伝えている。
とはいえ、やはり主力はソフトウェア。
Apple Watch用のApp Storeが用意されるということは凄い進歩
2015年に発表された当初、iPhoneが無ければ何もできなかったApple Watchは次期アップデートで単体で利用できる機能を増やすとのこと。
2年前からLTE通信に対応したことを利用し、Apple Watchからアクセスできる独自のApp Storeが提供され、計算機やボイスリコーダー、新しいメッセージ機能が追加されるという。
2009年から2016年にわたってAppleに在籍し、App Storeの審査チームを率いていたPhillip Shoemaker氏とのインタビューの中で、Apple Watchの発売当初はあまりにもアプリが盛り上がっていないことからAppleにとって「恥ずかしい存在だった」と語っていた。
今回、Apple Watch用のApp Storeが用意されるということは、Appleとしても力を入れる準備ができたということを指し、iPhone離れが進み単体で利用できる機能が増えそうだ。
「PCの代わりにiPad」に本腰を入れる
AppleはこれまでiPadがPCの代わりになることを度々アピールしてきた。ハードウェアとしてはPC超えははるか昔からしているものの、ソフトウェアがいつまで経ってもiPhoneに毛が生えた程度の違いしかなく、ハードウェアスペックの無駄遣いとなっていた。
「WWDC 2019」で披露される次期iOSのiPad向け機能では、ハードウェアとソフトウェアのギャップを埋めることが期待される。
これまでの噂によると、SDカードからLightroomなどの写真編集アプリに直接読み込めるようになる機能やマルチウィンドウ対応、新ジェスチャー追加、iPadをサブディスプレイ化できる新機能「Sidecar」などが期待されている。
iTunesの終焉
iTunesはついに終わる。登場してから18年経ち、延々に肥大化を続けたオールマイティなソフトウェアは、必要機能ごとに分割される見通し。
Marzipan
WWDCはデベロッパー向けのカンファレンス。ソフトウェアそのものの進化だけではなく、ソフトウェアの開発に関わる内容も発表される。
「WWDC 2019」ではiPadアプリをMacに移植できるソフトウェア開発キット(SDK)を発表する見通し。2020年にはiPhoneアプリをMacに移植できるようになると噂され、将来的には「App Store」も1つに統合されると見られている。
純正アプリの刷新、AR、健康
他にも「ヘルスケア」「リマインダー」を始めとした純正アプリの刷新も予定。ARについてはiOS 13にヘッドセットをサポートする記述が発見されているが、ハードウェアが披露されるのは最短で2020年になると予想されている。
健康領域は近年、Appleが特に力を入れている分野。今年は聴覚の健康状態をヘルスケアアプリで管理できるようにするという。