Appleが2018年に交換したiPhoneのバッテリーは例年の10倍
新型iPhoneが売れなかった原因はバッテリー交換プログラム?!
Daring Fireballによると、Appleが2019年第1四半期の業績を下方修正したことを受けて実施した全社会議にて、Tim Cook氏が2018年を通じて交換したiPhoneのバッテリー数は1,100万台であることを明らかにした。
通常は年間100万〜200万台程度であることから5〜10倍近い需要があったということになる。
バッテリー交換プログラムが「iPhone XS/XR」の売れ行きに影響か
このプログラムが実施された背景は、電池が劣化したiPhoneの性能を意図的に低下させていることが話題になったこと。Appleがこれらを事実であると正式に認め、実施していた理由などを丁寧に解説した上で、「iPhone 6」以上のiPhoneの電池交換費用を2018年12月までの期間限定で3,200円まで値下げすることを発表した。
2018年1月後半から年末まで割引価格で受け付けられ、中でもギリギリに交換して長持ちさせようという人が12月に殺到し、交換できない人も続出していたと話題になっていた。
Appleが業績を下方修正した理由の1つに新型iPhoneの売れ行きが不調であることが指摘されているが、これほど多くのユーザーがiPhoneのバッテリーを交換することが予想できなかったのか。しかも、2018年1月から実施していたプログラムだと言うのに、なぜ第4四半期の業績発表直前にならないと分からなかったのか。
Daring FireballのJohn Gruber氏はこれについて、「iPhone XS/XR」発売後にバッテリー交換プログラムの利用者が急激に増えたのではないか、と分析。
「iPhone XS」が「iPhone X」と目に見える進化ポイントがないこと、「iPhone XR」が世間の期待していほど安くなかったことなどの理由から「だったら今のiPhoneの電池を交換してもう1年待った方が良い」という結論になり、結果的にバッテリー交換プログラムが買い替えへの足かせとなった可能性も考えられる。
通常は8,800円だった交換費用が3,200円に値下げされたということもあり、数千円で今のiPhoneがまるで新品のようにキビキビと動作するのであればiPhoneを新しく買い換えるよりも安く済むという理由で新モデルを見送ることは考えられる。
2019年のiPhoneは、少なくとも「iPhone XS Max」の後継モデルはトリプルレンズを搭載し、目に見えて進化が分かるメジャーアップデートになると予想されているが、「iPhone XS」と「iPhone XR」に関しては現時点では分かっていない。バッテリーを昨年交換した人が今年買い換えるとは考えづらいが、Appleの2019年度における業績見通しは大丈夫なのだろうか。
(via 9to5Mac)