「LG 5K UltraFine Display」から4Kディスプレイに”ダウングレード”した理由

MacBook Pro 2018 13inch Massive Review 07

僕は「MacBook Pro 2016」の購入時に「LG 5K UltraFine Display」を購入し、ディスプレイは色味が統一されていた方が心地よいという理由で2台目を購入した。非常に贅沢な環境で作業していた時期があった。

ところが、今年4月に僕は5Kディスプレイを止め、同じLG製の4Kディスプレイ「27UK650-W」に乗り換えることに。本記事では5Kディスプレイを購入して使っていたからこそ分かる、4Kディスプレイを選ぶべき理由について解説する!

5Kディスプレイを出力するためにMacに掛かる負担は膨大

「LG 5K UltraFine Display」自体は非常に良いディスプレイであることには間違いない。

そもそも5Kの迫力は凄まじく、5,120 x 2,880ピクセルもあれば写真や動画のパリパリ感は想像以上、文字もくっきりと見える。「MacBook Pro」と同じ500cd/m²の輝度、P3の広色域を実現し、「Thunderbolt 3」ケーブル1本で出力・充電が可能であることから、MacBook Pro」の外付けディスプレイとしては最適とも言える仕様だった。

ただし、この素晴らしいスペックが仇となっていた部分がある。というのも、5Kという高解像度を出力するには相当なマシーンパワーが必要だ。

「Blackmagic eGPU」のレビュー記事でも紹介したが、15インチ型「MacBook Pro 2016」から「LG UltraFine 5K Display」を2枚出力し続けた結果、GPUが不調になり、「Touch Bar」も引きずられて動作不良を起こし、Mac本体がボロボロになったという経験がある。

MacBook Pro 2016のGPUが盛り上がっている様子

1年間使い続けた結果、「LG 5K UltraFine Display」を2枚出力するには「MacBook Pro 2016」のGPU性能はパワー不足であることがわかった。Appleは発表時に2枚出力できることをアピールしていたが、出力できるだけで実際にその構成は使用に耐えられないようだ。

Two LG 5K Displays kills the mac
Appleのイベント – Keynote 2016年10月 – Apple(日本)

15インチ型「MacBook Pro」は2016年モデル以降、5Kディスプレイを出力するためには左右1台ずつとなっている。4Kディスプレイは最大で左右2台ずつ出力できることから、単純計算で5Kディスプレイを出力するのに4Kディスプレイ2台分の負担が掛かっている、ということになる。

実際、eGPUの導入で4Kディスプレイ出力時の熱が抑えられることを筐体温度の測定ツールおよびサーモグラフィカメラで確認しているが、よりパワーを必要とする5Kディスプレイを2枚も出力していたことを考えると、本体への負担は相当だったに違いない。

僕としても最大限配慮するために超強力な冷却クーラーを本体に常時当てていたが、それを上回る熱を帯びていた可能性もある。

これを踏まえた上で、致し方なく「MacBook Pro 2017」に買い替えた際には同じ問題に遭遇したくないと思い、「LG 5K UltraFine Display」から「27UK650-W」に乗り換えることを決意。解像度も落ち、僕の使用しているモデルはUSB-C端子もなく、スマートさには欠けているが、それでも母艦であるMacを破壊されるよりは遥かにマシだと思っている。

幸いにも、今となっては「Blackmagic eGPU」が登場し、「LG 5K UltraFine Display」の出力においてMac本体に負担を掛けずに使うことができるようになった。ただし、2枚出力するためには「Blackmagic eGPU」が2つ必要になるため、結局4Kディスプレイのまま使っている。

アンチグレア(非光沢)ディスプレイ、薄型のベゼルが良い

5Kから4Kに乗り換えた最大の理由は上記の通りだが、それ以外にも結果的に乗り換えたことによって得られたメリットがある。

1つは、ディスプレイが光沢(グレア)加工ではなく非光沢(アンチグレア)加工になったこと。窓から光が差し込む部屋の中でもディスプレイが見づらくなくなった。

長時間画面を見ていると光沢ディスプレイは目が疲れるが、非光沢に変更してから目に対する負担はぐっと減った。日々の作業時間が長いからこそ、変化を実感している。

もう1つは、ベゼルが薄くなったこと。「LG 5K UltraFine Display」は必要以上にベゼルが分厚く、ディスプレイの見た目としてはなんとなく時代遅れ感があったが、「27UK650-W」は非常に薄いベゼルを採用しているため、2枚並べても違和感がない。

LG 5K UltraFine Display Review

当初は15インチ型「MacBook Pro」 + 「LG 5K UltraFine Display」 × 2という構成と同じようにハの字型に2枚のディスプレイを配置していたが、今は横向き1枚、縦向き1枚にし、縦向きディスプレイの反対側に「Twelve South Curve Stand for MacBook」の上に載せた「MacBook Pro 2018」を開いた状態で使っている。

メリットよりもデメリットの方が響き、使用を断念

「LG 5K UltraFine Display」は魅力的なディスプレイであることには間違いないが、その恩恵を受けるためにはマシーンスペックが必要であり、「MacBook Pro」単体では不十分だと感じている。1枚出力する程度であれば問題ないかもしれないが、2枚出力するとなるとやはり負担が大きすぎる。2枚出力するのであれば、「iMac Pro」ぐらいのスペックは欲しいところ。

そこで「Blackmagic eGPU」を活用する、という手段がある。Mac本体から出力しない場合、「LG 5K UltraFine Display」を使うとしたら追加で出力できるのは最大で1枚の4Kディスプレイ。

メインのディスプレイを5K、サブディスプレイを4Kという構成も考えたが、ベゼルの分厚さはともかく、アンチグレアに慣れてしまうとグレアに戻るのは難しそうだ。やはり普段見ている画面だからこそ、解像度よりも反射の方が重要であるようだ。

実際、5Kから4Kに戻した瞬間は文字のパリッと感が失われてしまったことが気になっていたが、使っているうちに気にならなくなった。人間の適用力、恐るべし。

とは言え、僕は「LG 5K UltraFine Display」が嫌いというわけではない。売り払うのももったいないので、仕事机とは別に、1台だけを置いたデスクを別途用意することを検討している。

LG UltraFine 5K Display」は決して安い買い物ではない。5Kという解像度の高さ、カラーの正確さ、「MacBook Pro」との相性の良さは魅力的ではあるが、4Kディスプレイでも半額程度で十分幸せになれる。

購入を検討している人はよく考えて決断するべし!

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