12インチ型MacBookはiPadにキーボードを付けて作業している人向け
12インチ型MacBookに否定的な人は多いが、僕はむしろ肯定的だ。常識を打ち破ってこそ新しい何かが生まれる。これまでのMacBookシリーズにおける「当たり前」を抜本的に作り替えたのが12インチ型MacBookだ。
ただ、結局僕は1つの質問から逃げている。それは「12インチ型MacBookはどのような人が買うべきなのか」。あれこれ考えているうちにピンと来た答えがあったので、僕の考えを述べたいと思う。
12インチ型MacBookを買うべき人とその理由
まず、既に12インチ型MacBookは日頃からMacをバリバリ使っているような人向けのデバイスではないことは明確だ。IllustratorやPhotoshopでバリバリ画像加工を行い、Final CutやPremiereを使ってゴリゴリ動画編集を行う人は無理して買う必要はない。華麗にスルーしよう。
現段階で僕が12インチ型MacBookを買うと幸せになれそうだと思う人は、普段「iPad Air 2」に「Ultrathin」などの外付けキーボードを付けて出先で作業している人。「iPad Air 2」にも劣らない携帯性を持ち、OS Xデバイスならではの操作性が楽しめるからだ。
以下にその根拠となる理由をまとめてみた。
携帯性:実は12インチ型MacBookの方が軽くなる可能性
まずは何よりもスペックを見比べてみよう。今回はiPadシリーズの中で最も薄く、最も性能の高い「iPad Air 2」のWi-Fiモデルを比較対象とした。
12インチ型MacBookと「iPad Air 2」のスペック比較
12インチ型MacBook | iPad Air 2 | |
---|---|---|
OS | OS X | iOS |
ディスプレイ | 12インチ (2,304×1,440) |
9.7インチ (2,048×1,536) |
プロセッサー | 1.1/1.2GHzデュアルコア Intel Core M (Turbo Boost使用時最大2.4GHz/2.6GHz) |
1.5GHzトリプルコア「A8X」チップ +「M8」モーションコプロセッサー |
RAM | 8GB | 2GB |
GPU | Intel HD Graphics 5300 | |
ストレージ | 256GB 512GB |
16GB 64GB 128GB |
電池持ち | 最大9時間 | 最大10時間 |
高さ | 0.35〜1.31cm | 0.61mm |
幅 | 28.05cm | 24.0cm |
奥行き | 19.65cm | 16.95cm |
重量 | 0.92kg | 0.437g |
ポート | USB-C | Lightning |
価格 | 256GB:148,800円 512GB:184,800円 |
16GB:53,800円 64GB:64,800円 128GB:75,800円 |
公式ページ | MacBookの詳細 | iPad Air 2の詳細 |
全体的に12インチ型MacBookの方が大きいのは事実。優っている点についてはRAMやストレージ、電池持ちは1時間下回り、重さも約2倍となっている。携帯性の高さだけで言えば「iPad Air 2」の方が優っているようにも見える。
ここで本体重量を軸に携帯性に着目したい。「iPad Air 2」本体だけを比較対象とした場合、本体重量だけで比較すると12インチ型MacBookの方が劣る。ただし「iPad Air 2」と一体化する外付けキーボード「Ultrathin」と合わせた場合、その重さは約1.1kg。キーボードで作業することを全体とした場合、12インチ型MacBookの方が実は携帯性が優っているという見方もできる。
キーボードを別で持ち運ぶ不便さを解消してくれる
当然、「iPad Air 2」用外付けキーボードは他にもある。
「Keys-To-Go」は413gなので「iPad Air 2」と合わせると850gになるが、キーボードとして完全に独立しているため、「iPad Air 2」を立てるためにAnker製タブレット用スタンドのようなものが必要になる。
その点において、12インチ型MacBookはキーボードとセットだ。キーボードを使用した操作を前提としたデバイスであるため、外付けキーボードや専用スタンドの心配をする必要が一切ない。
本体の軽さや大きさも携帯性を決める上で重要な指標ではあるが、持ち運びやすさも考慮すると複数のモノを持ち歩くよりもMacBook1台持ち歩けば全てが揃っているという安心感はある。
Wi-Fiは「iOS 8」の「Instant Hotspot」機能で十分
スペック比較は「iPad Air 2」のWi-Fiモデルと比較したが、LTEに対応したセルラーモデルの方がどこでも通信できて便利なのでは、と言う考えもあるかもしれない。
ただ、僕らには今「iOS 8」から用意された、瞬時にテザリングが利用できる機能「Instant Hotspot(インスタントホットスポット)」がある。
これを駆使すればもはやセルラーモデルであるかどうかは関係無くなる。「Instant Hotpot」があるからこそ、Appleも12インチ型MacBookにLTEチップを搭載しなかったのではないかと思う。
予想:「USB-C」1つで手元のデバイスを全て充電できるようになる?
これはあくまでも予想だが、今後、iOSデバイスに搭載されているLightningポートが、Appleが発明したとされる「USB-C」ポートに置き換わる可能性がある。
「これまで買ってきたLightningケーブルが無駄になる」というショッキングな思いが脳裏をよぎるが、実は12インチ型MacBookユーザーにとっては良い流れだ。というのも、USB-Cケーブルがあれば今後iPhoneもiPadもMacBookも充電できるようになるのだ。モバイルバッテリー1つあれば3つのデバイスを全て同時に充電することも可能になる。
持ち運ばなければならないモノが減るのは良いことだ!
操作性:キーボード入力を前提としたOS X、タッチを前提としたiOS
以前、iOSとOS Xが統合するという噂が出た時にCraig Federighi氏はこの噂を全否定している。
Federighi氏いわく、マウスとキーボードを使った操作と、指を使った操作は完全に別物だから、であると回答している。Macはマウスとキーボードがあることを大前提として30年間作られてきていて、そのポリシーを変えるつもりはないと断定していたようだ。
via 「Mac OS X 10.10 Syrah」はiOSと統合することはない!フラットデザインを採用するが、「iOS 7」ほど劇的な変化はない見通し | gori.me(ゴリミー)
この時の発言にもある通り、OS Xはマウスとキーボードがあることを大前提としている。つまり、キーボードを使うのであればOS Xの方がOSとして適していると言える。
実際に「Ultrathin」をレビューした際に、僕は以下のように書いている。
MacBook Airと「iPad Air 2」+「Ultrathin」で悩んでいる人はMacBook Airを購入した方が良さそうだ。特にキーボードを叩いて作業をする、という人にとっては当然ながらMacBook Airの方ができることが多く、自由度も高い。
(中略)
「iPad Air 2」でコンテンツを見ることがメインだが、たまに文字を打つことがある、という人の方が満足度は高いのではないかと思う。携帯性の高い作業デバイスを希望しているのであれば、11インチ型MacBook Airの方がオススメだ。
via 【レビュー】Logicool製の極薄キーボードカバー「Ultrathin」は「iPad Air 2」用キーボードカバーの決定版!打感も良好! | gori.me(ゴリミー)
あくまでもiPadの文字入力をしやすくするという意味で外付けキーボードは役に立つが、MacBook Airの代わりとして使うには無理があると結論づけている。
性能差を比較していないので正確には分からないが、「iPad Air 2」ができる作業で12インチ型MacBookができない作業はほとんど無いだろう。あるとしたらそれはiPhoneで代用できるはず。
キーボードを必要とする作業は12インチ型MacBookの方が快適にストレスなく使えるだろう。
iPadで外付けキーボードを使うなら12インチ型MacBookを買おう
考えれば考える程、僕は12インチ型MacBookが非常に魅力的なデバイスであるように思えてきた。
アクティブに過ごしたいけど、何かあった時のためにササッと作業をしたい。「iPhone 6 Plus」から記事を書くことはできない。そんな時のために「iPad Air 2」とセットで利用できる「Ultrathin」を購入したのだが、15インチ型「MacBook Pro Retina」とは程遠い使い勝手のため、使わなくなってしまった。
12インチ型MacBookがあればこの悩みを解消できる。どの程度の作業に耐え得るのかは実際に買ってみないと分からないが、それでも「iPad Air 2」+「Ultrathin」で実現しようとした作業環境には劣らない自信がある。
念の為にかいておくが、僕は「iPad Air 2」が大好きだ。自宅で仕事をするようになった今でも、毎日欠かさず使っている。
ただ、作業用のデバイスとしては12インチ型MacBookに軍配が上がる。いくら価格差が10万円弱あったとしても、作業効率アップの投資と思えば高くない。ゲフゲフ。
これはやはり買うしか無さそうだな。
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