【レビュー】CalDigit TS4:14インチMacBook Proと最強コンビ
TS3 Plusから「最強のThunderbolt 4ドック」に乗り換えた理由
「CalDigit TS4」は、14インチMacBook Pro(2021)を中心としたThunderbolt 4化した仕事用コックピットを作る上で欠かせない。3つのThunderbolt 4ポートと4つのUSB-Cポートを含む18ポートを備えており、接続元のコンピューターに最大98Wの電力供給をサポートするThunderbolt 4ドックだ。
1本のケーブルを繋げるだけで、外部ディスプレイ、Ethernetケーブル、スピーカー、各種周辺機器などと接続できる。MacBook Proのポテンシャルを最大限に引き出してくれるアイテムだ。TS3 Plusから乗り換えた理由を含めて、TS4をレビューする。
TS4の魅力とは
まずはTS4の魅力について、紹介する。
接続端子が背面側にある
TS4を語る上で欠かせない仕様は、接続用ポートの配置。大多数のThunderbolt 4ドックが接続用ポートを前面側に配置している中、TS4は背面に配置している。
デスクの下や裏にケーブルを這わせてMacBook Proに接続するためには、接続ポートはドックの背面側になければならない。
高い拡張性、優れたポート性能
TS4には18ポートに拡張できる。各ポートの仕様は以下のとおり。
CalDigitより
- 3 x Thunderbolt 4 (40Gb/s)
- 3 x USB-C (10Gb/s)
- 5 x USB-A (10Gb/s)
- 1 x DisplayPort 1.4
- 1 x SD 4.0 (UHS-II)
- 1 x microSD 4.0 (UHS-II)
- 1 x 2.5ギガビット Ethernet
- 1 x Front Combo オーディオIN/OUT (3.5mm)
- 1 x Rear オーディオOUT (3.5mm)
- 1 x Rear オーディオIN (3.5mm)
- 1 x DC IN (19.5V 11.80A)
18ポートのうち、特筆するべき仕様を以下の3つだ。
信号なしでも電力供給が可能なUSB-C/Aポート
前面側にある3つのUSB-C/Aポートおよび背面にある2つのUSB-Aポートは、接続元の信号がなくても電力供給が可能。前面側にある2つのUSB-Cポートのうち1つは最大20Wの出力に対応しており、iPhoneの急速充電、MagSafe充電が利用できる。
20W出力のUSB-Cポートは重宝している
最大98W出力のThunderbolt 4ポート
TS4は、接続元のデバイスに最大98Wの電力供給が可能。14インチMacBook Proの高速充電に対応しており、電池残量を回復させながら外部ディスプレイで作業を進められる。
最大8Kディスプレイを1枚、6Kディスプレイを2枚出力可能
TS4は仕様上、最大8K解像度のディスプレイを1枚まで出力可能だが、14インチMacBook Proが出力できる解像度は6Kまで。対応するディスプレイ解像度と枚数は以下のとおり。
- 4K@60Hzディスプレイを最大2枚
- 5K@60Hzディスプレイを最大2枚
- 6K@60Hzディスプレイを最大2枚
- 4K@最大144Hzディスプレイを最大1枚
- 3,440 x 1,440@最大180Hzディスプレイを最大1枚
- 2,560 x 1,440@最大240Hzディスプレイを最大1枚
僕は5K2Kディスプレイと4Kディスプレイから構成されたデュアルモニター環境を構築している。理論上は両ディスプレイをTS4から出力できるが、1つの端子に必要以上の負荷が掛かることを懸念し、5K2Kディスプレイは別の端子から出力している。ケーブルを1本挿すのも2本挿すのも、変わらんよ。
TS4に乗り換えた理由、TS3 Plusの違いを比較
続いて、TS4に乗り換えた理由を説明する。
Thunderbolt 4ポートを活かすならThunderbolt 4ドック
TS3 Plusに不満があったわけではないが、TS4に乗り換えた理由はThunderbolt 4の仕様にある。
Thunderbolt 4は、0.8メートルでも2メートルでもアクティブケーブルだ。TS3 PlusではCaldigit純正の2メートルThunderbolt 3ケーブルで実現していたが、TS4は2メートルのThunderbolt 4ケーブルであれば安心して使える。
他にも20W出力USB-Cポートやオフライン充電ポートの搭載、接続元への最大98W出力に惹かれた。TS4とTS3 Plusの仕様比較表を作成したので、参考にしてもらいたい。
ポート | TS4 | TS3 Plus |
---|---|---|
ポート数 | 18 | 15 |
接続元コンピューターへの出力 | 最大98W | 最大87W |
Thunderboltポート | Thunderbolt 4(40Gb/s) x 3 | Thunderbolt 3 x 2 |
USB-C | USB-C(10Gb/s) x 3 | USB-C 3.1 Gen 2(10Gb/s, 1.5A, 7.5W) x 1 USB-C 3.1 Gen 1(5Gb/s, 1.5A, 7.5W) x 1 |
USB-A | USB-A(10Gb/s) x 5 | USB-A 3.1 Gen 1(5Gb/s, 1.5A, 7.5W) x 5 |
20W USB-Cポート | ○ | – |
オフライン充電ポート | ○ | – |
DisplayPort | DisplayPort 1.4 | DisplayPort 1.2 |
SDカードリーダー | SD 4.0(UHS-II) | SD 4.0(UHS-II) |
microSDカードリーダー | microSD 4.0(UHS-II) | – |
Ethernet | 2.5ギガビットイーサネット | ギガビットイーサネット |
オーディオ出力 | ○ | ○ |
オーディオ入力 | ○ | ○ |
システム要件 | Thunderbolt 4コンピューター Thunderbolt 3コンピューター USB-C(USB4)コンピューター USB-Cコンピューター Chromebook(ThunderboltまたはUSB-C) iPad Pro/iPad Air/iPad mini(ThunderboltまたはUSB-C) Windowsタブレット(ThunderboltまたはUSB-C) macOS 11.4(Big Sur)以降 Windows 10(20H2)以降 |
Thunderbolt 3 コンピュータ macOS 10.12以降 Windows 10以降 |
高さ | 141.0 mm | 131.0 mm |
幅 | 42.0 mm | 40.0 mm |
奥行き | 113.0 mm | 98.44 mm |
重さ | 0.64kg | 0.47kg |
TS4、本体も電源アダプタもTS3 Plusより大型化
TS4は、TS3 Plusから全体的に大型化している。また各種ポートの配置なども変わっているため、比較写真を見てもらいたい。
前面側にはMicro SDカードスロットが追加され、USB-C端子が増えた。20W出力対応のUSB-Cポートは、iPhoneの急速充電に役立っている。
背面側のポート配列は、以前より綺麗になった。普段目に触れる部分ではないが、配線管理がしやすかった。
電源アダプタは大きくなったが、デスク下のケーブルラックに入れるため問題ない。
TS3 Plusは3ピンコネクタだったが、TS4は2ピン。日本在住としては、地味ながら素晴らしい改良だ。
TS4 レビュー:MacBook Proのデスクトップ化に欠かせない存在
CalDigit TS4は、ゴリミーの作業環境において欠かせない存在だ。14インチMacBook Proのデスクトップ化を実現する上ための中心的存在と言っても過言ではないだろう。
TS4は縦向きだけではなく、横向きでも設置可能。付属のゴム足を取り付けることで机をグリップし、固定される。向きに関わらず、使用中は熱を帯びやすい。
現在はディスプレイスタンドの上に固定しており、USB-Aポートは有線キーボード「Keychron Q1」に接続して使用している。撮影した写真はSDカードスロットで取り込み、iPhoneを急いで充電したいときは20Wポートを使用する。
背面側は、4Kディスプレイ、スピーカー、有線LANケーブル、BenQ ScreenBar Halo、ProGrade Digital Thunderbolt 3リーダーを接続している。余っているThunderbolt 4ポートは今後、外付けドライブを接続してストレージの拡張を検討している。
記事公開当初は、CalDigit TS4には接続しているケーブルを一度でも抜くと、Ethernetポートが全く動作しなくなる、致命的な欠点があると報告した。メーカーに問い合わせたところ、接続するThunderbolt 4ポートを右側に変えたことで解決した。仕組みは不明だが、以来、スリープから復帰後もケーブル再接続後もEthernetポートが正常に動作している。最初からケーブル1本しか使っていなければ、この問題は起きなかったかもしれない。
欠点がなくなった今、14インチMacBook Pro用の据え置き型Thunderbolt 4ドックとして最も優れている製品と胸を張って言える。接続ポートの配置、高い拡張性、搭載ポートの優れた仕様を実現したThunderbolt 4ドックは他にないだろう。非常に高価なMac用アクセサリーだが、買って大満足している。
これ高いけど便利ですよね。3年ぐらいは使えるといいなぁ。しかし、イーサネットポートにはそんなトラップがあったなんて!有線接続するときは気をつけよう。
私的にはLEDの起動ランプが目障りな感じがするのが欠点ですかね。まあ、アップルレインボーシールを貼って隠してますが。