【レビュー】「CalDigit TS3 Lite」ーーポートの拡張に特化したドック
僕は15インチ型MacBook Pro(2016)を出力元としてトリプルディスプレイ環境で作業をしている。
「LG 5K UltraFine Display」はMac本体に直挿しとなっているが、「ASUS PB287Q」と「DELL P2415Q」は「CalDigit TS3 Lite」を介して出力している。
現在、Amazonにて24,840円で購入可能。先行して「TS3 Lite」のサンプルを提供して頂いたので、使い勝手を紹介する!
ポートの拡張に特化したドック!「LG 5K Ultrafine Display」ユーザーに最適
「TS3 Lite」は以前紹介した「Caldigit Thunderbolt Station 2」の後継機に当たる「TS3」の簡易モデル。発表された時に書いた紹介記事にも書いたが、改めて両モデルの比較表を載せておく。
TS3 Lite | TS3 | |
---|---|---|
使用用途 | ポート拡張 | ポート拡張+本体充電 |
「Thunderbolt 3」ポート数 | 2 | 2 |
最大出力可能解像度 | 5K (5120 x 2880) @60Hz | 5K (5120 x 2880) @60Hz |
13/15インチ型MacBook Pro との互換性 | ◯ | ◯ |
Windows Thunderbolt 3 PC との互換性 | ◯ | ◯ |
最大スループット | 40Gb/s | 40Gb/s |
最大供給可能電力 | 15W | 85W |
USB 3.1 Type-A ポート数 | 2 | 3 |
USB 3.1 Type-C ポート数 | 1 | – |
DisplayPort ポート数 | 1 | 1 |
HDMIモニタ出力 | ◯ | ◯ |
DVIモニタ出力 | ◯ | ◯ |
4Kモニタ2枚出力 | ◯ | ◯ |
eSATA ポート数 | – | 2 |
ギガビットイーサネット | ◯ | ◯ |
オーデイオ イン/アウト | ◯ | ◯ |
縦置き・横置き対応 | ☓ | ◯ |
価格 | 24,840円 | 249.99ドル |
Shipping | 2017年第1四半期 | 2017年第1四半期 |
現在僕が使用しているのは「TS3 Lite」。「TS3」と「TS3 Lite」の大きな違いは供給可能電力。「TS3 Lite」は15Wしかないのだ。
多くのドックは「MacBook Pro(2016)」から失われたポートを拡張しつつ本体をしっかり充電することができることを強みとしているが、「TS3 Lite」はあくまでもポートを拡張するための製品。既に充電する方法がある人のためのドックなのだ。
より具体的に言えば、僕のように「LG 5K UltraFine Display」を使っている人が対象。ディスプレイを出力しつつ本体を充電できる人にとってはわざわざポートを拡張するためのドックに充電機能は必要ないのだ。
充電機能がある「TS3」よりも安く手に入る「TS3 Lite」。「TS3」よりUSB-Aポートは1つ少ないが、代わりにUSB-Cポートが1つ多く用意されているなど、これから来るであろうUSB-Cの時代にピッタリ!
Macと接続するケーブルも同梱!必要なポートはカバー
続いて「TS3 Lite」の同梱物を紹介しておく!
実は本体の他は電源ケーブルと「Thunderbolt 3」ケーブルのみ。純正のケーブルは3つ穴プラグ用となっているが、2つ穴用の変換プラグが同梱されている点は大いに評価したい。この手の海外製品は毎回困るので本当に助かる。
「TS3 Lite」の外観をチェックしていきましょう。金属製のボディが高級感があり、MacBook Proのシルバーモデルとの相性は間違いなく良いだろう。大きさも、横幅がiPhone 7 Plusを1.5倍ぐらいにした大きさなので机の隅に置いておいても邪魔にならない。
手前にはUSB-C端子が1つとUSB-A端子が1つ。
裏にはEthernet端子が1つ、USB-A端子が1つ、Audio In/Outが用意され、「Thunderbolt 3」端子が2つ、DisplayPortが1つ、そして電源端子が並ぶ。
SDカードスロットが無いことを嘆く人もいるかもしれないが、個人的にはこの手のドックは机の端に置くものだと思っているので搭載していなくて正解だと思っている。SDカードスロットが必要なのであれば拡張されたポートを利用して以下のようなSDカードリーダーを挿せばいい、というのが僕の見解。この製品、結構良さそう。
売り上げランキング: 18,422
なお、僕は「SanDisk Extreme Pro SD UHS-II Card USB-C Reader」をMacに直挿しでSDカードを読み込んでいる。
底面にはゴム足が用意され、すべり止めとしての役割を担ってくれる。
4K@60Hzを2枚同時に出力可能!机の上もスッキリ
実は「TS3 Lite」が手元に届くまでは出力している片方の4Kディスプレイ1枚しか60Hzで出力することができなかった。HooToo製USB-CハブのHDMIポートを使用していたため、どう頑張っても4Kで出力する場合は30Hzが限界だったのだ。
「TS3 Lite」は4Kディスプレイをリフレッシュレート60Hzで2枚出力することが可能。僕の場合、「Plugable USB 3.1 Type C (USB-C) – DisplayPort 変換ケーブル」を使用して「TS3」の「Thunderbolt 3」ポートに挿してディスプレイを片方出力し、もう片方のディスプレイを通常のDisplayPortケーブルで出力。
各ディスプレイの設定で4K解像度でリフレッシュレート60Hzが実現できていることを確認している。
このように机の端に配置し配線を完了した状態がこちら。他にはEthernetケーブルとUSBハブ、そしてスピーカーとして「Bose Companion 20」に出力している。
リフレッシュレート60Hzで出力している4Kディスプレイを2枚、スピーカー、USBハブ、Ethernetになんとこの同梱されている「Thunderbolt 3」ケーブル1本を挿すだけですべて瞬時に利用可能になる。そのスマートさ、その快適さに一度慣れると戻ることができない。
現状、僕は自分のトリプルディスプレイ環境を使い始めるにはMacBook Pro(2016)に2本のケーブルを挿す必要がある。1つは「LG 5K UltraFine Display」を出力するためのケーブル。もう1つは「TS3 Lite」を出力するためのケーブル。可能であれば1本にすべてまとめたいところではあるが、5Kディスプレイが相当なリソースを食い潰してしまうので仕方ない。
不満はないが、気になる点をいくつか
かれこれ半月ほど使い続けている「TS3 Lite」だが、これと言った不満はない。ただし、気になる点がいくつかあるので今後購入する人のためにまとめておく。
基本的には同梱されているケーブルを使用せよ
当初、同梱されているケーブルを使わず、手元にあった別の「Thunderbolt 3」ケーブルを使用して4Kディスプレイを2枚出力しようとしていた。
結果、片方しか出力されない現象に見舞われていた。どうやら「USB-C/Thunderbolt 3」ケーブルでも最大20Gbpsでデータを転送できるものと40Gbpsでデータを転送できるものがあるとのこと。僕が使用していたケーブルは20Gbpsだった可能性が高い。
同梱されているケーブルに差し替えてみると何事も無かったのように両ディスプレイが点灯。要は僕が使用していたケーブルがボトルネックとなり十分な出力が供給できていなかったとかんがえられる。
同梱されているケーブルは非常に短いので、必要であれば「Belkin Thunderbolt 3 Cable(2m)」やCaldigit純正の2メートルケーブルなどを購入しても良いかもしれない。
極稀にディスプレイが一瞬ブラックアウトする
使用していた半月の中で実はディスプレイが一瞬、突然ブラックアウトする現象が発生していた。ヘルプセンターで調べてみるとDisplayPortケーブルが原因となっている可能性があるとのこと。またケーブルかよ!
今後頻出するようであれば原因解明を進めたいと思うが、今のところ出現率が非常に低いため、特に困っていないので気にせず使いたいと思う。
5Kディスプレイと同時に接続するとMacがアタフタする
出先から帰ってきて「MacBook Pro(2016)」に2つのケーブルを挿す。すると、「LG 5K UltraFine Display」はすぐに点灯するものの、残りの4Kディスプレイ2枚が点いたり消えたりを繰り返して明らかにMacがアタフタしている状況に何度が遭遇した。
こちらも原因不明だが、5Kディスプレイが出力できたことを確認してから「TS3 Lite」を接続することによって解決。これは「TS3 Lite」の問題というよりMac本体の問題ではないかと思っているので、個人的には特に問題なし。順番に挿せばOK!
MacBook Proの2016年モデルを購入して失われたポートを簡単に拡張したいという人や、「LG 5K UltraFine Display」を既に持っていてポートが拡張できるドックが欲しいと言う人にオススメの「CalDigit TS3 Lite」。購入は下記からどうぞ!
売り上げランキング: 142,456