日米合意でスマホ新法の運用方針が明文化。「米企業を差別しない」とホワイトハウスが発表
12月18日施行予定、知的財産権の保護と競争促進のバランス重視。欧州DMAとは異なるアプローチ
米ホワイトハウスは、高市早苗首相とトランプ米大統領による日米関税合意に関するファクトシートを発表した。5,500億ドル規模の対米投資に向けた文書への両首脳の署名を受けたもので、12月18日に施行予定の「スマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)」に関する運用方針が明記された。
同ファクトシートによると、日本政府はスマホ新法を米国企業に対して差別的に適用せず、公正かつ自由な競争と利用者の安全・利便性のバランスを図りながら運用する方針を示した。知的財産権の正当な行使を尊重することも明言されている。
スマホ新法の公平な運用を明文化
スマホ新法は、AppleやGoogleなどのプラットフォーム事業者に対して、サードパーティアプリストアの開放や決済システムの選択肢拡大などを求める規制だ。今回のファクトシートでは、同法の運用が特定の国籍を持つ企業を狙い撃ちするものではないことが、日米間で合意された形となる。
ファクトシートには、以下のように記載されている。
Japan will implement its Mobile Software Competition Act in a way that does not discriminate against U.S. companies, balances the need for fair and free competition with user safety and convenience, and respects the legitimate exercise of intellectual property rights.
これを訳すと「日本は、スマホ新法を、米国企業を差別することなく、公正かつ自由な競争と利用者の安全・利便性との調和を図りながら、知的財産権の正当な行使を尊重するかたちで運用する」という内容だ。
欧州DMAとは異なるバランス型アプローチ
日本政府は競争促進と利用者保護の両立を重視しながら、知的財産権という企業の正当な権利行使を妨げない方針を採用する。公正取引委員会が9月に発表した最終ガイドラインでは、知的財産権の保護が明文化されており、今回の日米合意はこの方針を国際的に確認したものと言える。
この運用方針は、Appleが警告を発していた欧州のデジタル市場法(DMA)のような厳格な規制とは一線を画す、バランス型のアプローチだ。EUでは規制強化によってセキュリティリスクが増大し、ユーザー体験が損なわれているとの指摘もある。
対米投資5,500億ドルの合意背景
今回のファクトシート発表は、日米首脳会談で署名された5,500億ドル規模の対米投資合意に付随するものだ。トランプ政権は貿易不均衡の是正を重視しており、日本からの大規模投資と引き換えに、通商面での協力体制を強化する狙いがある。
スマホ新法の運用方針が文書化されたことで、日本市場で事業展開する米国テック企業にとっては、今後の規制環境に関する不確実性が一部解消された形だ。日本のiPhoneユーザーへの影響についても、欧州ほど大きな変化は生じない可能性が高まっている。
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日本の場合は、天下りを受け入れていない企業に対して差別的な取り扱いをすることを禁止する条項も必要だろう