iPadがマウスに対応しない理由、Macがタッチパネルに対応しない理由
【image via Luna Display】
YouTuberのdrikinさんが公開した動画『Macお宝鑑定団ダンボ兄貴に謝罪! – 今年のWWDCの期待などについても聞いてみた – #662』の中で、Macお宝鑑定団BlogのダンボさんがiOS 13にはiPad Proに特化した機能が多数追加されることを予想していた。
iPad Proならではの新機能として、ドリキンさんは「iPad ProのiOSだけマウスカーソルが出現する」「macOSがタッチパネル対応する」などの提案をするが、いずれもダンボさんにきっちり否定されてしまう。
その理由として、Macのポインタカーソルは「クリックした状態で判定」するのに対し、iOSの場合は「指を離した時に判定」するという仕組みになっていることを指摘。
つまり、ユーザーインタフェースの判定方法が逆になっているため、iOSまたはmacOSどちらかが逆の判定を採用する必要があるそうだ。
MacとiPadのユーザーインタフェースを統合するのは極めて難しい
また、指のタッチパネルインタフェースは、指が画面に触れた際に感じているポイントと実際の接触点が異なるため、その整合性を取るためにiOS側は処理を行っていると説明。
一方、macOSのマウスカーソルは絶対座標であり、誤差を修正する必要がない。
仮にiOSでマウスを利用可能にした場合、iOSで実装されている接触点の差異をなくす計算処理を行う必要があり、結果的にレスポンスの低下に繋がるそうだ。
Appleは機能として追加するだけではなく、使い勝手や操作性に「気持ち良さ」があるかどうかを必ずチェックするという。結局のところ実装が非常に難しく、これまで実現できていないということはiOS 13でも実現する可能性は低いのではないかとダンボさんは語っている。
GoogleやMicrosoftが実現できているならAppleもできるのでは、という指摘に対しダンボさんは会社の製品群に違いがあると反論する。
Googleは「パソコン」と呼べるハードウェアが存在しないため、意識する必要がない。Microsoftはモバイル事業から撤退したため、逆に「パソコン」向けの機能のみを考えていれば良い。
Appleはパソコン、タブレット、スマートフォンをそれぞれ提供し、macOSとiOSという異なるOSも提供。これらを統合するというのは並大抵のことではないようだ。
Tim Cook氏は2018年4月にインタビューでMacとiPadを融合させる計画はないことを改めて強調していた。ユーザーが求めているかどうかは分からないが、そもそもAppleの理想とする使い勝手を実現する上での技術的な障壁があるのかもしれない。
ただ、タッチディスプレイ搭載Macをテストしているとの噂もある。直近で発売される予定はないものの、Macのタッチパネル対応も完全に捨てたわけではなく、引き続き研究開発を進めているのかもしれない。