映画制作の現場が変わる──iPhone 16 Proが切り拓くプロの映像表現
プロの撮影助手・浮邊祐希氏が語る、iPhone 16 Proによる短編動画制作のリアル。新しい現場の可能性と進化した映像体験
映画制作の現場で撮影助手として数々の作品に携わってきた浮邊祐希氏が、全編をiPhone 16 Proで撮影した短編動画を通じて、スマートフォン映像制作の可能性やプロの現場での活用について語った。
今回は、そのトークセッションの内容を現場目線でまとめていく。
プロ現場で活きるiPhoneの使い道と選定理由
まず、浮邊祐希氏について簡単に紹介しておきたい。2007年に上京し、日本映画大学(当時は日本映画学校)の撮影・照明コースを専攻。卒業後はフリーの撮影部として活動し、林淳一郎氏や一坪悠介氏をはじめ、数多くの撮影監督の現場で経験を積んできた。主な参加作品には「あなたへ」「舟を編む」「シン・ゴジラ」「カラダ探し」などが並び、2020年からは瀧本幹也氏に師事。Netflix「阿修羅のごとく」でも撮影助手としてクレジットされている、まさに現場を知り尽くしたプロフェッショナルだ。
そんな浮邊氏によると、プロの撮影現場でもiPhoneはすでに重要なツールになっている。ロケハンでは現場の照明環境やフリッカーの有無を確認するためにiPhoneを活用し、「Blackmagic」アプリを使えばiPhone自体が簡易的な露出計としても機能する。こうしたサブ機材的な使い方だけでなく、近年はメインカメラとしての活用も増えてきた。
その背景には、従来のiPhoneでは広角と望遠が一体化しているため、クローズアップや細かい画角調整が難しかったという課題がある。浮邊氏は「もう少し良い画が欲しい」と感じていたが、iPhone 16 Proでは多彩なレンズ構成と進化したカメラ性能が決め手となり、現場でのメイン機材として選択するに至った。
映画撮影におけるiPhoneの導入背景と進化の実感
iPhoneを映画撮影に使い始めたのは、シン・ゴジラのような狭隘な空間で多数のカメラを設置する必要があったことがきっかけだ。戦車の中や極端に狭い場所では、従来の大型カメラでは撮影が難しい場面も、iPhoneならではのコンパクトさが大きな武器になった。
そして、iPhone 16 Proでの撮影を通じて、これまでのスマートフォンとは一線を画す進化を実感したという。まずラティチュード(露出許容範囲)が大幅に広がり、ハイライト部分のデータ保持力が高まった。暗所でもlog撮影データがしっかり残り、後から明るさを持ち上げてもノイズが目立たない。さらに、ProResやシネマティックモード、4K 120fps撮影など、プロの現場で求められる機能がスマホ1台に凝縮されている点も大きな魅力だ。
機動性の面でも、iPhone 16 Proは従来の大型機材を持ち込まずに済み、アクションシーンや狭い場所の撮影でも自由度が高い。役者もカメラの存在を意識せず、より自然体で演技できる現場を作り出すことができた。
iPhoneだからこそ実現できた撮影シーン
実際の撮影現場では、iPhone 16 Proの特性が活きたシーンがいくつも生まれた。たとえば遊園地でのアクションシーンは、通常ならレールやステディカムが必要な大掛かりな撮影になるが、iPhone 1台でフットワーク軽く撮影できた。
また、日没直前の限られた15分間で5カットを撮る必要があった場面でも、iPhoneならセッティングの手間なくアングル変更ができ、日没に間に合わせることができた。さらに、環境光のみでスローモーション撮影ができる点も大きなメリット。従来のフィルムカメラではコストも手間もかかるハイスピード撮影が、iPhoneなら手軽に実現できる。
実際に撮影中の様子
iPhone 16 Proの進化と、映像制作を始める人へのアドバイス
iPhone 16 Proは、ProResやシネマティックモード、4K 120fps、5倍ズームといったプロ仕様の機能が詰め込まれている。A18 Bionicチップによる高い処理能力や大容量ストレージも、長尺の高画質映像制作を支える強力な武器だ。AppleのPhotosアプリやiMovie、Final Cut Proとの連携もスムーズで、撮影から編集までのワークフローが一気通貫で完結する。
浮邊氏は「iPhoneは映像制作の入り口として最適」と語る。昔は機材がなければ勉強すら難しかったが、今はiPhone 1台で映画レベルの作品も撮れる。Instagramなど発表の場も充実しているため、まずは気軽に撮影し、実験的にいろいろ試してみてほしいとアドバイスしている。新しい映像表現や撮影スタイルが生まれることで、映像制作の世界はこれからますます広がっていくだろう。
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