「移行アシスタント」の使い方ーーMac同士をケーブルで繋いでデータを移行する方法
新しいMacに買い替える際に、旧MacのTime Machineバックアップから新Macに環境を移す方法もあるが、MacにmacOSをクリーンインストールした上で「移行アシスタント」を使う方法もある。もしくは、新しいmacOSが配布された際に、念のためクリーンインストールしてから新しいバージョンをインストールしたい、という人もいるだろう。
本記事ではMacの「移行アシスタント」を活用し、旧Macのバックアップから新Macに環境を復元する方法を解説する!
「移行アシスタント」によるデータ移行の大まかな流れ
全体の流れを説明する前に、「移行アシスタント」について少し解説しておく。「移行アシスタント」の中にはデータを移行する方法として大きく分けて3種類の方法が存在する。
- ケーブルで繋ぐ方法(ターゲットディスクモードを利用)⇠今回はこれ
- Time Machineを利用する方法
- Wi-Fiで移動する方法
今回紹介するのはWi-Fi経由やTime Machineバックアップ経由ではなく、Mac間をケーブルで接続し、有線経由でデータの移行をする「ターゲットディスクモード」を利用する方法。個人的にもっとも確実だと思ったからではあるが、実際にやってみた結果、Time Machine経由が最も手軽だと感じた。
今回僕が実施した「移行アシスタント」の大まかな流れは下記の通り:
Time Machineバックアップから新Macに環境を移す際にはTime Machineバックアップをもとにデータを移すので必須ではあるが、今回もMac間で直接データの移行をするとは言え、失敗する場合がある。実際に僕は失敗している。
環境を復元することが何よりも重要であると考えた時に、プランAだけではなくプランBもプランCも必要。そのため、Time Machineバックアップは取れるのであれば取っておきましょう。
毎回書いているが、最近の外付けドライブは非常にお手頃で、1TBでも数千円で購入できる。これからUSB-Cポート搭載のMac用に購入するのであれば、Apple公式サイトの「ストレージ」から探してみるのも良いかもしれない。
「移行アシスタント」を使ってデータを移行するための手順
Time Machineバックアップを無事取得してもらえたと信じ、早速「移行アシスタント」を利用したデータ移行の手順を紹介する!
1. Mac間を対応ケーブルで接続
まずは旧Macと新Macを対応するケーブルで接続する必要がある。
このケーブルは使用するMacによって異なる。僕の場合、MacBook Pro(2016)からMacBook Pro(2017)に移行しているため、必要だったのは「Thunderbolt 3(USB-C)ケーブル」。僕は手元にあった「Anker USB-C & USB-C Thunderbolt 3 ケーブル」を使用。純正ケーブルよりも1,000円以上安いことが魅力。
実は「移行アシスタント」はケーブル経由ではなく、Wi-Fi経由でもデータの転送を行うことは可能。つまり、旧Macと新Macが同じWi-Fi環境にあれば、物理的なケーブルで繋げなくても転送することは可能なのだ。
ただし、個人的にはこの方法はあまりオススメできない。理由は2つある。
転送速度に時間が掛かる
僕の自宅ではネット環境にかなり投資をしている関係で、インターネットスピードは比較的速い方だと自負している。ただし、それでも800GBのデータを転送するのは帯域に負荷が掛かるだけではなく、とにかく時間が掛かる。
時間が掛かることの最大の問題は、手元のマシーンがその間全く使えないということ。可能であれば寝ている最中に移行作業が終わって朝起きて仕上げをする、というのが理想だが、データ量によっては寝ている数時間のうちに終わらない可能性もある。
数十GB程度や100数GB程度であればWi-Fi経由でも良いかもしれないが、「データ容量が多い」と自覚している人はケーブル経由の方がオススメだ。
失敗するリスクと失敗した時の絶望感
何よりもWi-Fi経由でオススメできない最大の理由は、僕自身が失敗しているからだ。実はケーブル経由でやっているつもりができておらず、結果的にWi-Fiを使ってデータを転送してしまったのだが、朝起きてみたら転送が中途半端なところでストップしていた。
その後、午前中様子を見ていたが、一向に進まず一旦放棄し、クリーンインストールからやり直すことに。
過去にもWi-Fi経由で失敗した経験があることから、やはりWi-Fi経由の「移行アシスタント」はあまりオススメできない。
2. 旧Macをターゲットディスクモードにする
さて、ここからは旧Macの設定を行う。システム環境設定を開き、「起動ディスク」をクリックする。
Mac単体で使用している場合は基本的にここにドライブのアイコンが1つ表示されるはず。それをクリックした上で、「ターゲットディスクモード」と書かれているボタンをクリックする。
「ターゲットディスクモード」に入る場合はMacそのものを再起動する必要がある。説明書きにある通り、対応ケーブルを使用して別のMacに接続するためのモードとなっている。作業終了後は電源ボタンを押してシステム終了する。
「ターゲットディスクモード」に入るとこのような画面が表示される。スクリーンセーバーのように雷アイコンが移動するが、それは仕様なのでご安心を。
3. 新しいMacで「移行アシスタント」を起動、または「このMacに情報を転送」画面を表示
次にデータの移行先となる、新しいMacで作業を行う。ここからは状況によって表示される選択肢が異なる。
起動したばかりのMacの場合、「このMacに情報を転送」という画面が作業工程の中で表示されるはず。「Mac、Time Machineバックアップ、または起動ディスクから」を選択し、「続ける」をクリックする。
macOSをクリーンインストールした後にデータを移動したい場合、アプリケーションの「ユーティリティ」フォルダ内にある「移行アシスタント」を起動する。一度ログアウトされ、「移行アシスタント」という画面が表示される。上記と同じく、「Mac、Time Machineバックアップ、または起動ディスクから」を選択し、「続ける」をクリックする。
写真を撮り損ねてしまったのだが、「このMacに情報を転送」という画面が表示され、オレンジ色のドライブのアイコンが表示される。ちなみに移行元のMacを「ターゲットディスクモード」にしていない場合、アイコンはドライブではなくMacになっている。
4. 転送するデータを指定する
元の環境のアカウントのパスワードが求められるので、入力して「パスワードを設定」をクリック。
5. データが移行するのをひたすら待つ
完了すると下記のような画面が表示され、再起動すれば元の環境が復元されているはず!
その後、ログイン画面が表示され古いMacのアカウント(移行したアカウント)と新しいMacのアカウント(移行するために暫定的に作ったアカウント)の2種類が表示されているはず。暫定的に作った新しいMacのアカウントは削除しても問題ない。
ちなみに僕はこのアカウント設定で失敗し、心が折れて「移行アシスタント」を使わずにTime Machineバックアップから直接環境を復元してしまった。やり方は下記の通り:
冒頭で紹介した通り、「移行アシスタント」には直接繋ぐ方法(ターゲットディスクモードを利用)、Time Machineを利用する方法、Wi-Fiで移動する方法と3種類があるが、もし次に「移行アシスタント」経由でデータを移行する機会があれば、もっとも簡単そうな「Time Machine」を使いたいと思う。
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