MacBook Pro(2018)は13インチモデルを選んで良かったと思う8つの理由
15インチモデルも相変わらず最高だが、僕の使い方を考えると13インチモデルで十分すぎるということ
今時点における僕のメインマシーンはMacBook Pro(2018)の13インチモデルだ。これまでの”推しメン”は15インチモデルだった僕が、2018年モデルではついに13インチモデルに乗り換えた。
画面が大きいこと、dGPUを搭載していること、電池持ちが13インチモデルと変わらないことなどを15インチモデルを買うべき理由として挙げていたが、2018年モデルになってからMacBook Proの基本仕様が大幅にアップグレードされ、むしろ僕の使い方では15インチはオーバースペックに、13インチモデルこそ自分にとって最適なモデルであると感じるようになった。
13インチモデルを使い始めてかれこれ8ヶ月以上経っているが、使えば使うほど「13インチモデルを選んで良かった」と感じることが多い。
この機会に、僕がMacBook Pro(2018)は15インチモデルではなく13インチモデルを選んで良かったと思う理由についてまとめておく!現在、MacBook Proの13インチモデルと15インチモデルで悩んでいる人は参考にどうぞ!
13インチ/15インチ比較:優れていると感じた点まとめ
これまでは15インチモデルを愛用していた僕だが、2018年モデルは間違いなく13インチモデルが自分に合っている。その理由は、僕のライフスタイルにある。
僕が普段仕事場としているのは自宅だ。自分自身の部屋を設けさせてもらい、その部屋には僕が仕事を快適にするための作業環境が整っている。4Kディスプレイを2枚設置し、Mac本体を3枚目のディスプレイとしたトリプルディスプレイ環境を構築している。
取材などで移動する場合、作業するのはたいてい電車の中やカフェなどが多い。スピード感が求められるため、取材現場の机の上で書き上げることもあり、作業時間はそれほど長くはない。また、写真の現像や編集をするものの、それほど高負荷な作業は行っていない。
僕は基本的にいつでもMacBook Proを持ち運ぶようにしている。家族で出掛ける時も、必要に応じて取り出してはササッと記事を書いたり、記事を修正したりすることもある。
娘が生まれたことをきっかけとして、意識的に自宅にいる時間を長くしているため、自然と自宅で作業する時間が圧倒的に長くなっていた。一方、取材時はカメラ機材を同時に持ち運ぶため荷物を減らしたいという思いが常にあり、家族と出掛ける時も荷物を必要最低限にしたいという思いがあった。
13インチ型MacBook Pro(2018)は、13インチモデルの欠点であったパフォーマンスを大幅に改善した。さらに、「Blackmagic eGPU」によって13インチモデルの長年の欠点だったグラフィック性能を大幅に強化することができるようになり、15インチモデル以上の性能を発揮できるようになった。
自宅の作業環境で快適に仕事ができる性能があり、持ち運ぶ時は軽くてコンパクト。それがMacBook Pro(2018)の13インチモデルもの魅力であり、強みなのだ。
以下に詳しく解説する。
目次
荷物が軽くなった
物理的なサイズが小さくなった分、当然ながら本体が軽くなった。
13インチモデルと15インチモデルの重量差は460g。13インチモデルに同梱されている61W電源アダプタ(192g)2台分以上軽くなる計算だ。
ちなみに電源アダプタも15インチモデル用(296g)と比べて104gも軽い。本体重量の差を合計すると、564gもの軽量化に繋がるのだ。
僕はどこへ行くにしてもMacBook Proを背負って行動している。軽ければ軽いほど背負う荷物が軽くなり、特にカメラ機材などを背負っている時は1gでも軽くしたいため、軽量化の恩恵は受けている。
「13インチモデルも15インチモデルも背負ってしまえば変わらない」と確認していた時代が僕にもあった。今はすっかり15インチが重く感じるようになってしまった。
13インチモデルと15インチモデルのサイズおよび重量比較
13インチモデル | 15インチモデル | |
---|---|---|
高さ | 1.49 cm | 1.55 cm |
幅 | 30.41 cm | 34.93 cm |
奥行き | 21.24 cm | 24.07 cm |
重量 | 1.37 kg | 1.83 kg |
持ち運ぶカバンの選択肢が増えた
本体がコンパクトになったお陰で持ち運ぶためのカバンの選択肢が増えた。
これまでは15インチモデルが収まる比較的大きいバッグを選ぶ必要があったが、13インチモデルとなるとバックパック以外にもトートバッグやショルダー、メッセンジャーバッグなどからも選ぶことができる。
基本的には複数のマシーンを用途別に使い分けるのは必要最低限にし、1台のマシーンに集約したいと考えている。15インチモデルから13インチモデルに小型化したことにより、持ち運ぶカバンの選択肢を広げることができた。
とは言え、実際は45リットルのバックパックを背負っている。より小さいバッグに入れたい、という時に入るのが大事。ちょっとしたお出掛けのときは、さすがの僕も巨大バックパックは持ち出さないようにしている。
ちなみに今個人的に注目しているのはCHROMEの「VALE SLING」。13インチサイズまでのラップトップなら収納できるので、ちょっとしたお出掛けに良さそう。
作業できる場所の選択肢が増えた
2014年に15インチモデルがカフェで使うには大きすぎるのか検証した結果、15インチモデルでもカフェの限られたデスクスペースでも作業できることを確認したが、13インチモデルに変えてみてわかったのは、物理的に小さければその分作業できる場所も増え、限られたスペースでもより快適に作業できる、ということ。
例えば、以前検証した新幹線のデスクでは、本体はギリギリ収まり作業する上では問題ない、と結論付けたが、その後13インチモデルで作業してみた結果、15インチモデルと比べて格段に作業がしやすいことに気が付いた。
カフェの小さいデスクでもドリンクを並べて作業できるようになり、電車の中でも膝の上に収まるサイズなので作業がしやすい。15インチモデルでも作業できないことはないが、13インチモデルの方が限られたスペースでも作業が快適にできると感じている。
CPUが4コアになり、15インチモデルに匹敵する性能になった
2018年モデルは13インチモデルが2コアから4コアに、15インチモデルが4コアから6コアになった。
既に13インチ型MacBook Pro(2018)のレビューで詳しく解説しているが、13インチモデルの4コアCPUは2017年の15インチモデルに搭載されている4コアよりも高性能。CPU性能単体だけで見れば13インチモデルが上回っているということになる。
2コア(デュアルコア)と4コア(クアッドコア)の差は大きい。マシーンの基本性能が異なるため均等な比較ではないことをわかった上で引き合いに出すが、2コアのMacBook Air(2018)と比べると高負荷時における操作の滑らかさが驚くほど違う。
僕自身の作業内容を振り返るとCPU性能に依存する部分が大きい。6コアもあればさぞかし快適なのかもしれないが、2017年モデルまでの4コアで十分に快適だったから、13インチモデルで十分という結論に至った。
逆に6コアを必要とするような人は、4K動画やVR動画の編集などを行う、本来であればデスクトップマシーンに匹敵する凄まじいマシンパワーを必要とする作業を行う人だと考えている。
GPUは性能不足だが、eGPUを活用すれば十分
基本的にはCPU性能を必要とする作業が多いが、RAW画像の編集やディスプレイの出力はGPU性能が求められる。
MacBook Pro単体で画像編集することが全くないわけではないが、これまでの経験上、それほどストレスなく複数枚の写真を現像できる。意外にも13インチ型MacBook Pro(2018)の内蔵GPUはも15インチ型MacBook Pro(2017)よりも高性能であるため、そこそこ十分に作業をこなしてくれる。
ただ、基本的に僕の作業場所は自宅。外付けGPUの「Blackmagic eGPU」を取り付けることにより、15インチモデル以上のグラフィク・パフォーマンスを発揮することができている。
13インチ型MacBook Pro(2018)+「Blackmagic eGPU」とくコンビネーションは僕にとって非常に画期的。13インチモデルのコンパクトさや軽さの恩恵を受けながらも、15インチモデルの強みだったグラフィック性能も得られるので最高だ。
モバイルバッテリーやUSB充電器で充電しやすい
15インチモデルは87Wの出力を必要とするが、13インチモデルは60Wの出力で事足りる。そのため、利用できる周辺機器の幅が広がった。
例えば電源アダプタだけでも60W出力に対応している製品はこれだけ存在する。わざわざ機能も限定的な必要以上に高いApple純正品を使う必要がないのはありがたい。
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さらに60W出力で事足りるということは、それに満たない出力を持つアクセサリでもスピードは遅くなるがMacBook Proを充電することができる。
特にモバイルバッテリーで充電できるのは便利。活用する機会は少ないが、コンセントがない場所でもMacBook Proの電池切れの心配がないという安心感は大きい。USB充電器も30W〜45W程度の出力があれば遅いなりに充電できる。
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15インチモデルだと本来フルスピードで必要とする電力が87Wもあるため、30W程度の出力ではなかなか充電されない。
13インチの画面の方が集中できるようになった
かつては15インチモデルの方が画面が大きく快適だと思っていた。自宅でも27インチディスプレイを使っているため、外出時における作業環境も広ければ広い方が良いと思っていた。
これが、13インチモデルを買ってから変わってきた。むしろ、大画面だと情報量が多すぎて集中したい時に集中できない場合があるのだ。15インチというディスプレイサイズに関しても、僕にとっては良くも悪くも余裕があるように感じようになってしまった。
13インチディスプレイはちょうど良い。2つのウィンドウを並べて表示するにはちょうど良い広さで、フルスクリーンモードの「Split View」が快適に表示される。集中するには心地よいウィンドウサイズで、作業が捗る。
15インチモデルに比べて端末価格が安い
これは結果論ではあるが、13インチモデルを買ったことによって15インチモデルよりも節約できたというのは特筆するべきだろう。
僕が購入した構成は、俗に言う「Ultimateモデル」と呼ばれる。価格は319,800円(税別)。詳細は下記の通り。
- 第8世代の2.7GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.5GHz)
- 16GB 2,133MHz LPDDR3メモリ
- 1TB SSDストレージ
同じく15インチモデルのUltimateモデルを購入した場合、価格は423,800円(税別)に。構成は下記の通り。
- 第8世代の2.9GHz 6コアIntel Core i9プロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.8GHz)
- 32GB 2,400MHz DDR4メモリ
- 1TB SSDストレージ
価格差は10万円以上。15インチから13インチにしたことによって10万円以上も節約できてしまったのだ。
「15インチモデルはCPUがCore i9だし、RAMが32GBだし、それを単純に比較するのは不公平では?!」という人もいるかもしれないが、僕はUltimateモデルを買うことにこだわっている。13インチだろうと15インチだろうと「店頭でも購入できる最高スペックのモデル」という理由で両サイズのUltimateモデルを比較している。
逆に言えば、10万円以上の価格差を払ってもその恩恵を受けられないのであれば13インチモデルを選んだ方が良いということになる。RAMの32GBには惹かれたが、16GBでメモリ不足を感じたこともない。
コア数も4コアで十分、GPUも外付けで事足りていることから、僕には10万円以上支払って従来通り15インチモデルを買うだけのメリットがなかったのだ。
ちなみに僕はMac本体に加えて「Blackmagic eGPU」もあわせて購入している。価格は税別89,800円。13インチモデルと組み合わせると409,600円となるため、差額は14,200円まで縮んでしまい、ほぼ変わらない価格になってしまう。
ただ、僕はライフスタイルの変化により高性能であることは当然として、可能であれば持ち運びがしやすくなることを望んでいた。
13インチ型MacBook Pro(2018)+「Blackmagic eGPU」という組み合わせが魅力的であると書いた通り、やはりこの組み合わせは僕の求めている条件に合うことが分かった。また、僕の作業内容からしてこの組み合わせでも十分にこなすことができることが分かった。
15インチモデルのスペックを必要とする人は超ハードコアな作業をする人
MacBook Proにも32GBのRAMが搭載できるようになったと知った時には一瞬の迷いもなく「RAMの32GBは必須だろう、間違いない」と購入を確信していた。夢に見た最強スペックマシーンがついに登場した、と。
ところがその後冷静になってから、MacBook Pro(2017)で作業的に行き詰まったことは一度も無いことに気がついた。以前、MacBook Pro(2016)のRAMは”プロ”でも32GBは必要ない理由を解説したが、高速化されたSSDによって16GBでも十分快適に動作するように設計されている。
そもそも32GBのRAMを使い切るほど重いようなマルチタスクを行うこともない。32GBなどを必要とするのは「Final Cut Pro」で4Kの動画素材を扱いながら「Adobe Photoshop」で複数レイヤーを持つ数十MB単位の画像編集を同時進行で行うような人だ。それは、僕ではない。
CPUの6コアに関しても同様。4コアでコア数の不足を感じたことは一度もなく、コア数がさらに2つ増えたところで僕の作業内容では全くと言って良いほど活かすことができないことに気がついた。
まさに猫に小判。豚に真珠。ゴリに6コア。
唯一気になっていたのがGPU性能。CPUに内蔵されたGPU(iGPU)は13インチモデルの方が15インチモデルよりも高性能なのだが、CPU内蔵のものとは別に独立したGPU(dGPU)がなくなることが心配だった。
これも実際に自分の作業内容とGPUの使用率を確認してみたところ、GPU性能がピークアウトすることがほとんどなく、日常的に行う作業で最も負荷が高いであろう「Adobe Photoshop」による画像編集でもサクサクこなすことが分かった。
確かにGPU性能があればよりスピーディに行うことができる作業もあるが、大抵は自宅で作業しているため、「Blackmagic eGPU」を使うことによって15インチ以上のパフォーマンスを発揮することができる。
よって、これまで2017年モデルの15インチモデルでスペックでも事足りていた僕は、15インチ型MacBook Pro(2017)のパフォーマンスをよりコンパクトで持ち運びしやすい筐体で実現できることが分かったのだ。
まとめ:13インチモデルは性能とサイズのバランスが素晴らしい
これまで愛用してきた15インチモデルを買ってきた僕だが、MacBook Pro(2018)で13インチモデルに変更したことによって以下のようなメリットが得られた:
- 荷物が軽くなった
- 持ち運ぶカバンの選択肢が増えた
- 作業できる場所の選択肢が増えた
- CPUが4コアになり、15インチモデルに匹敵する性能になった
- GPU性能はなくても意外と困らず、eGPUを活用すれば十分
- モバイルバッテリーで充電しやすい
- 13インチの画面の方が集中できるようになった
- 15インチモデルに比べて端末価格が安い
もちろん、15インチモデルが「コストパフォーマンスが悪い」なんて言う気はさらさらない。どちらかというと以下のような条件があるからこそ、今の僕には15インチモデルは使いこなせないと思っている。13インチモデルの方が合っている、ということだ。
- 自宅で仕事をする時は巨大な外部ディスプレイがあるデスクで作業できる
- 常にMacBook Proを持ち運んでいる
- 作業ができる時間があれば作業したい
僕の主な作業内容は記事執筆を中心とした業務。グラフィック性能を必要とする作業内容があるとしたら写真の現像や画像の編集ぐらい。映像編集する機会も増えたが、ブラウザベースの編集ツールを使う機会が多いため、外付けGPUを使う必要さえもない程度だということがわかった。
より高いパフォーマンスを求めるよりも、必要十分なパフォーマンスを可能にしてくれるコンパクトで持ち運びやすい筐体であることの方が重要であると言う結論に至った。
今までは15インチモデルでなければ得られなかった性能が、MacBook Pro(2018)でスペックが改良されたお陰で13インチモデルのサイズでも十分に得られるようになったのだ。
今の僕にとって最適なMacBook Pro(2018)は間違いなく13インチモデルだ。