Apple AR/VRヘッドセットの噂まとめ:いつ発表?何ができるの?機能、性能、価格など最新情報
随時更新:AppleのAR/VR(MR)ヘッドセットについて、今わかっていることすべて
Appleは、長年噂されているAR/VRヘッドセットが年内に登場すると見られる。ゴーグル型でヘッドバンドは交換式。本体重量は150g以下で、無線動作するがiPhoneが必須になりそうだ。独自OSが動作し、高解像度ディスプレイ、多数のカメラ、高性能チップを内蔵するとの噂。早ければ2022年年内に発表される可能性がある。
本記事は、AppleのAR/VRヘッドセットの特徴、スペック・仕様、性能、発表日・発売日、価格など最新情報を随時更新してまとめた。参考にしてもらいたい。
1分で分かるAR/VRヘッドセットの最新情報
記事執筆時点で報じられているAR/VRヘッドセットのスペックや仕様は、以下のとおり。新しい情報が入り次第、本記事を追記・修正する。
- 名称
- Apple Visionが有力候補?
- 主な用途
- ゲーミング
- 動画視聴
- コミュニケーション
- デザイン
- ゴーグル型
- 顔との接着部分はメッシュ素材を使用
- 交換式ヘッドバンド
- 150g以下
- OS
- rOSが動作
- 独自App Store
- ディスプレイ・カメラ
- 3枚のディスプレイを搭載
- 15個のカメラモジュールを搭載
- チップ・パフォーマンス
- ハイエンドチップ+ローエンドチップの2チップ構成
- Macと同レベルの処理能力
- 操作方法
- 目の動き、ハンドジェスチャー、指先に取り付けるデバイスが検討中
- 価格
- 2,000ドル以上(約20万以上)
- 発表・発売の時期
- 年内発表予定だったが、延期の可能性
- その他
- 96W電源アダプタを同梱
- Wi-Fi 6Eをサポート
AR/VRヘッドセットの噂まとめ
デザイン
- ”スマートで湾曲したゴーグル”
- 顔との接着部分はメッシュ素材を使用
- 交換式ヘッドバンド
- 150g以下
The Informationが見たという、昨年時点におけるヘッドセットの”最終段階プロトタイプ”は、「顔との接着部分はメッシュ素材を使用した、スマートで湾曲したゴーグル」と説明。ヘッドバンドは交換式だと伝えている。重さは150g以下になるそうだ。
Bloombergによると、当初は競合製品と比較にならないほどパワフルなヘッドセットとして開発が進められていた。専用のハブと無線接続する仕組みが検討されていたが、当時在籍していたジョニー・アイブ氏が、ヘッドセット単体で動作しないことに難色を示したそうだ。
内部衝突の末、専用ハブは見送られることが決定。内蔵電源やストレージを所有するため持ち運びできるが、利用にはiPhoneが必須になる可能性が高い。ワイヤレスデータ通信の最適化、動画の圧縮と解凍、電池持ちを最大化するためにデザインされていると報じられている。
OS
- rOS(コードネーム:Oak)が動作
AppleのAR/VRヘッドセットは、独自のOS「rOS」が動作するという。コードネームは「Oak」。詳細は不明だが、専用のApp Storeが用意されるとの噂がある。
用途・操作方法
- ゲーミング、動画視聴、コミュニケーション
- 常用するものではない
Bloombergによると、AR/VRヘッドセットは常用するものではなく、ゲーミング、動画視聴、コミュニケーションを主な用途として全方位3Dデジタル環境を実現。バーチャルタイピングで文字入力できるAR機能なども開発されているが、非常に限定的だという。
Appleは、複数のプロセッサ、高解像度ディスプレイ、独自のApp Storeが用意されることで、ゲーム開発者に向けてアピールする可能性がある。またメディア企業と提携しVR対応した動画コンテンツの配信、アニ文字などVRを活かした次世代コミュニケーションの提案が期待されている。
The Informationが報じた内部情報によると、Appleは「3Dスキャン機能」や「進化した人物検知機能」などを搭載する計画があるそうだ。
操作方法は、目の動き、ハンドジェスチャー、指先に取り付けるデバイスなどが検討されている。プロトタイプでは、ゴーグルの側面に物理ダイヤルボタンが設置されているものもあるそうだ。
ハードウェア
- マイクロ有機EL(Micro OLED)パネル ×2
- アクティブマトリックス有機EL(AMOLED)パネル ×1
- 合計15個のカメラモジュールを内蔵
ディスプレイ・レンズ
AppleのAR/VRヘッドセットは、3つのディスプレイを搭載する可能性がある。ディスプレイ業界のサプライチェーン調査会社、Display Supply Chain Consultants(DSCC)の最新レポートによると、マイクロ有機EL(Micro OLED)パネルを2つ、アクティブマトリックス有機EL(AMOLED)パネルを1つの3枚構成になるという。
マイクロ有機ELパネルは、ソニー製VR用「OLEDマイクロディスプレイ」を採用する可能性がある。仮に4000 x 4000ピクセルだとすれば、ディスプレイサイズ(対角寸法)は1.4インチになる。
Micro OLEDパネルはヘッドセットのディスプレイ部分、AMOLEDパネルはピクセル密度が低く解像度が低いため周辺視野に使用されるそうだ。
目の焦点付近を高い解像度で、周囲を低い解像度で描画する手法は「Foveated Rendering(フォービエイテッド・レンダリング)」と呼ばれている。人間の目は、周辺視野に行くにしたがって徐々にぼやける性質を持つ。この特性を活かすことで、描画処理の負担を軽減できる。
また通常のレンズを同心円状の領域に分割し厚みを減らした「フレネルレンズ」を採用し、顔から近い距離にレンズを置いても広い視野角を実現する噂がある。視力が弱い人向けに、補正レンズを挿し込む仕組みも検討されているそうだ。
カメラモジュール
Apple情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏によると、AR/VRヘッドセットには合計15個ものカメラモジュールを内蔵。8個はAR体験用として現実世界の撮影用、6個は「革新的なバイオメトリクス」用、1個は周囲検知用に使用されるという。
搭載されているカメラを使い、現実世界の情報をディスプレイ上に照射し、現実空間と仮想空間が混合する”複合現実エフェクト”を実現すると見られる。
パフォーマンス
- ハイエンドチップとローエンドチップを搭載
- ハイエンドチップはM1 Proチップと同等のパフォーマンス
Apple情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏によると、ARヘッドセットはハイエンドとローエンドから構成された2つのプロセッサを内蔵。ハイエンドはM1 Proチップと同等のパフォーマンスを持ち、ローエンドはセンサー関連部分を管理するという。
Ming-Chi Kuo氏によると、AR/VRヘッドセットは「Macと同レベルの処理能力」を持っており、「競合の2〜3年先を行く性能」になると指摘している。
発表日・発売日
- 2022年第4四半期(10〜12月)に発表との情報も
AR/VRヘッドセットは年内登場が有力視されているが、具体的な時期は意見が割れている。Ming-Chi Kuo氏は2022年第4四半期(10〜12月)を指摘しているが、Bloombergはハードウェアおよびソフトウェアのトラブルに直面しており、発表を2022年末、発売を2023年に延期すると報道。当初は6月開催のWWDC 2022の発表、年末の発売を予測していた。
具体的には、カメラやソフトウェア、オーバーヒートなどのトラブルに見舞われている模様。M1 Proチップと同等の性能を持つチップを含む2つのチップの処理能力と、快適な付け心地を実現する温度のバランスに苦戦しているそうだ。
App Storeが用意されるのであれば、サードパーティアプリが必要だ。Apple Watchと同様に、先に発表し開発者にアプリを準備してもらい、一定の期間を経て一般発売する、というシナリオが現実的だ。
価格
- 2,000ドル以上(約20万円以上)
AR/VRヘッドセットの価格は、米国でハイエンドiPhoneと同じ1,000ドル前後になるとの情報もあれば、約3,000ドルとの予測もある。少なくとも数千ドルになる見通しだ。
Mark Gurman氏は、2,000ドル以上になると指摘。7年以上の開発費用に加えて、M1 Pro相当を含む2つのチップ、超高解像度8Kパネルを含む複数のディスプレイ、度数に応じて交換可能なレンズオプション、最先端のオーディオ技術を含めると、回収するには相応の価格設定が必要になるという。
いずれにせよニッチなハイエンド製品になると見られており、初期モデルのターゲットは一般ユーザーではなく、プロフェッショナルや開発者と見られる。