週刊ゴリミー:トップデザイナーを失うAppleの未来

ジョニー・アイブ氏が去っても大きな変化がすぐに訪れる可能性は低い気がする

Gorime weekly

「週刊ゴリミー」では、この1週間で更新したニュースやレビュー記事を振り返る。

今週最大のニュースは、ジョニー・アイブ氏がAppleを年内退社することだろう。新製品が発表されるよりも驚いた。海外ポッドキャストは「スティーブ・ジョブズの死と同等の衝撃」と説明していたが、確かにそうかもしれない。

誰もがきっと思っているであろう、「この先のAppleは大丈夫なのだろうか」問題。正直、誰にも分からないが、退職発表後に明らかになった様々な情報を読んでいると、少なくとも今後数年間は大きな変化は無さそう、というのが率直な印象だ。

Macお宝鑑定団BlogのDANBOさんは「Apple Park建設を終えて、2017年12月にApple Designチームを直接率いる立場に戻った時点で、自身の役目が終わったと考え退職する意向をしてしていた可能性が高い」と指摘

実際、The New Yorkerの取材に対し、アイブ氏は「ひどく、ひどく疲れた」と語っていて、Apple Watchの発表に至るまでの苦労をにじませていた。

Bloombergの報道によれば、そもそも最近は週に2回ほどしか出社してなかったという情報もある。確かに最近の新製品発表会に参加している様子もなく、存在感は年々薄くなっていた。

Appleは何年も先の製品やサービスについてロードマップを引いていることから、今年末にアイブ氏がAppleから去ったとしても直近の新製品に何か変化があるとは考えづらいのである。

アイブ氏が去った後に登場する初の新製品はARグラスというニュースもあったが、Financial Timesでは立ち上げる新しいデザインファーム「LoveFrom」ではウェアラブル技術やヘルスケアを探求したいとの意思を示していたことから、Appleの新製品にも関わっている可能性の方が高そうだ。

むしろアイブ氏が去ることはAppleにとっても良いことかもしれない、と指摘するのはJohn Gruber氏。ソフトウェアの完成度の低さやMacBookシリーズのキーボードなどにおける責任がアイブ氏にあるとして、今後は必要以上に薄さやミニマリズムの追求をする必要がなくなるのではないかと分析している。

iPhoneの売れ行きが今後さらに鈍化することを見据え、Appleはこの先の方針としてサービスに軸を移す方針を明らかにしている。「Apple Music」や「Apple TV+」、「Apple Arcade」や「Apple News+」など、3月に発表された新サービスを中心に売上の底上げを狙うと見られている。

一方、今年登場すると噂されているiPhoneは基本的に今年の外観から大きく変わらなず、カメラが増え、他のデバイスをワイヤレス充電できる機能が用意され、一部周辺機器が変わる程度に留まりそう。

何が言いたいかというと、最近のAppleは、かつてのようにハードウェアにおけるデザインを追求するような企業ではなくなった。Appleにとってハードウェアのデザインが求められる時代は終わりを迎えつつあり、今後は違う分野での「デザイン」を追求しようとしている。

その「デザイン」とは、おそらく「人の体験」のデザインだ。サービスの比重を高めている先にあるのもユーザー体験。セキュリティや環境問題に対する高い関心があるのも使う人のことを第一に考えているからこそ強調していると言える。

そう考えると、Appleにとってジョニー・アイブ氏を社内にとどめておく必要がある時代はもう終わりつつあるのかもしれない。もはやデザインの世界では知らない人は誰もいないであろうアイブ氏は自分の好きな「デザイン」を中心に家族との時間を大事にしつつ、第2の人生を満喫してもらいたい。

そして、アイブ氏が去った後も、残されたAppleのデザインチームや新しく加わったメンバーによって新しい「Appleデザイン」を追求してもらいたいと思う。

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